自分のベース、何だか弾きにくいって感じることないですか?
やたら指が疲れるとか、軽く弾いただけで音がビビるとか。それ、もしかするとベースの弦高が合ってないのかも。
弦高っていうのはフレットと弦の隙間のことで、これを適正に改善してやるだけで劇的に弾き心地が改善することもあるんです。
というわけで、今回はベースの弦高調整の方法についてご紹介したいと思います。
ベースの弦高調整の方法
弦高に影響をあたえる箇所として、
- ネックの反り
- ネックの仕込み角
- ナットの溝
- ブリッジのサドル
などが考えます。
中にはうかつに手を出しちゃいけない箇所もありますが、今回お伝えするのはベース初心者の方でも比較的簡単におこなえるブリッジサドルで調整するやり方。
ブリッジには弦を乗っけるためのサドルという部分があって、そこの小さなネジを調整することで弦の高さを上げたり下げたりすることができるんです。
弦高をセッティングする手順
手順としては、
- チューニングを合わせる
- サドルのイモネジを回して弦の高さを調整
- 再びチューニング
- 各フレットを弾いてみて、ちゃんと音が鳴るか、音がビビってないかなどを確認
とまあ、ざっとこういう流れになります。
弦高を高くするのは比較的簡単なんですが、低くする場合は 弦のビビりに気をつけながら、サスティンを維持できるギリギリのラインを探っていくことになります。
弦高調整するための道具って何が必要?
ほとんどのサドルのイモネジは、マイナスドライバーもしくは六角レンチで回すことができます。
小さいネジなので、普通サイズのドライバーじゃ合わないかも。
こういう工具類も100円ショップとかで手に入るので、一つ持っておくと便利ですよ。

実際にサドルのネジを回して弦高を変えてみる
・弦高を低くする場合→半時計回りに回す
どれくらい回せばいいのかわからないときは、とりあえず半回転ずつを目安にするといいですよ。
あと、ネジの出っぱりは左右同じにしてサドルが斜めに傾かないようにしましょう。
弦高を変えたら再度チューニング
弦高を変えると音程が変わるので、チューニングをやり直します。
チューニングができたら開放弦~最終フレットまで順に弾いてみて音を確認。
もし音がつまってしまうようなら下げすぎなので少し上げて、ビビリなどフレットノイズを感じずに違和感なく弾ける状態にします。
ベタベタまで下げたいという人はさらに微調整しながらここまでの手順を繰り返します。
1~4弦まですべての弦が調整できたら、ひとまずOK。
最後はオクターブ調整
「ふぅ、やっと出来た」と安心していたアナタ、まだ最後にオクターブ調整が残ってます。
そう、弦高変えたらオクターブチューニングが狂っちゃうんですよね。
ただ、オクターブチューニングをするとサドルを前後に動かすことになるので、せっかく決まった弦高がまた微妙に変わってしまいます。
で、またサドルの高さを調整→チューニング→オクターブ調整→・・・ということを繰り返しながら各弦をベストな状態に近づけていきます。
面倒くさいですが・・・仕方ないんです。
これもメンテナンスの一環と思ってガンバッテー!
弦高は高めと低めとではどっちがいいの?
弦高って、演奏のしやすさやだけでなく音量・音質・音色・音抜けなんかにもかなり影響します。
弦高を高くすると
弦高を低くすると
こればっかりは好みとしか言いようがないね。
あくまで一般論ですが、あまり激しい運指を必要としない ボトム中心の曲をメインで演奏する人や、ヘビーな音を好む向きには高めの弦高が好まれるみたいです。
早いパッセージを弾く技巧派の人や ブライトなスラップ音を求める人、タッピングを多用する人なんかはローアクションなセッティングを好む傾向にありますね。
あと、普段から弦高が高いベースを弾いてると どうしても弦を押さえる力やピッキングが強くなるので、そういうクセがついてる人がいきなり弦高の低いベースを弾こうとすると音がビビりまくって演奏出来ないってことはよくあります。
逆に弦高の低いベースを撫でるようなタッチで弾く人は、弦高が少し高くなっただけでも全然弾けなくなったりします。
つまり「弾きやすい・弾きにくい」は「弦の高い・低い」ではなく、その人のスタイルによって決まるってことです。
メリットとデメリットは表裏一体なところがあるので、いろいろやってみながら自分にとってのベストな弦高を探してみてくださいね。
弦高の標準ってどのくらい?
ところで標準的な弦高ってどのくらいなんでしょう?
ボクが以前リペアをお願いした楽器屋さんでは、
1弦:1.7mm
4弦:2.0mm
を標準の弦高にしているそうで、特に要望がなければこの数値を基準に調整しているとのことでした。
標準にしては低めなような。。。昔のベースって、どれももっと平均的に高かったような記憶があるんですが、気のせいですかね?
弦高の見方
ここまでくると自分のベースの弦高がどのくらいなのか、気になりません?
まあ好みに近づいたんなら別に何ミリであっても関係ないっちゃあ関係ないんですが、一応。
弦高の高さの測り方は、12フレットの上に物差しを当てて、フレットと弦の下端までのスキマの寸法を見ます。
このベースの場合だと4弦でだいたい2mm、まあ標準ですね。
定規は端っこが0から始まってるやつじゃないと測れません。こういうのも100均で手に入ります。
ベースの弦高が下げられないとき
特定の弦だけ下げられない、下げるとビビる、サドルを限界まで下げてもまだ弦高が高い、という場合があります。
こういった高すぎ・低すぎが解消できない原因っていろいろあるんです。
- ネックが反ってる、もしくは ねじれてる
- ネックの仕込み(取り付け角度)が悪い
- ナットの溝の深さが適正でない
- フレットの状態が悪い
などなど。
これらに問題があった場合 サドルだけでは調整しきれません。
たとえばネックがねじれてたら いくらブリッジ側で調整しても納得のいく結果にはならないので、その場合は先にネックを調整するところからやらないとだめなんです。
通常のネック反りくらいなら自力で直せても ねじれの調整とか素人じゃまず無理。ナットの溝とかもむやみに手を出さないほうが無難。そもそも、見ただけでは分からないってこともありますしね。
そういうときは一度楽器店かリペアショップで見てもらうことをおすすめします。
場合によっては修理が必要なケースもあるので、無理せずにプロに任せちゃいましょう。
ベースの弦高のセッティング方法:まとめ
弦高の好みってホント人それぞれ。プロのミュージシャンでもバラバラなんです。
指弾き・ピック弾き・スラップ、タッピングなど、演奏するスタイルやジャンルによっても全然違ってくるので、どれが正解ってないんですよね。
しいて言うなら、自分が一番気に入った音が出せるとか、一番弾きやすい状態っていうのがその人にとっての正解。
ぜひ理想のセッティングを探してみてくださいね。
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