好きなベーシストは誰?って結局ルイス・ジョンソンなのかもしれない

ベース

「一番好きなベーシストって誰?」

これねー、よく聞かれるんですよ。バンド関係で新たに知り合った人なんかは結構な確率で聞いてきます。で、いつも「いや、特には・・」ってお茶を濁してます。

好きなベーシストがいないってわけじゃないんです。逆に多すぎて。しかもまんべんなく好きだから答えられないんですよね。

マーカス・ミラー、ジャコ・パストリアス、ヴィクター・ウッテン、アンソニー・ジャクソン、リチャード・ボナ、ロッコ・プレスティア、他にもいっぱいいるんだけどもうみんな好き。誰が一番なんてそんなの選べない。

ただ、今までで一番衝撃を受けたベーシストは?って聞かれたら、間違いなくルイスジョンソンの名前を挙げます。

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好きなベーシスト?結局ルイス・ジョンソンなのかもしれない

とにかくスラップがすごかった

ルイス・ジョンソンって知ってます?残念なことに60歳という若さで亡くなっちゃったんだけど、ど迫力のスラップで一斉を風靡したベーシストです。(当時はチョッパーって呼んでましたね)

この人、とてつもなく手がデカくて、1弦の5フレットと7フレットを人差し指と中指で押さえながら、ルートである3弦5フレットをネックの上から親指で押さえるというなんともバケモノじみた弾き方をする人です。しかもネックの太いミュージックマン スティングレイで。

普通親指で3弦押さえる?考えたこともないわ。

ザ・ブラザーズ・ションソンで衝撃

元々は友人に「ザ・ブラザーズ・ションソン」を教えてもらったのがきっかけ。

あのクインシー・ジョーンズのプロディースによる兄弟ユニットで、弟のルイス・ジョンソン(ベース)は兄のジョージ・ジョンソン(ギター)とともに、それはそれは刺激的な演奏を繰り広げておりました。

今でこそスラップといえば「親指のアップダウン」だとか「プルのダブル」だとか、比較的小刻みで器用な動きが主流になってますが、当時のルイスはそんな細かなことは全く気にせず、ただひたすらマシンのように指を弦に叩きつける、そして引っ張る。その繰り返しが何とも言えないビートを生み出すのでありました。

肘から先をブンブン振り回しながらの激しいスラップは「サンダー・サム」とも呼ばれていて、ベースを始めて間もない頃のボクに十分すぎるほどの衝撃を与えてくれました。

数々の名盤を残してる彼らですが、知らない人はとりあえず「Blam!」と「Light Up the Night」あたりをを聴いてみてほしいです。これぞファンク!といった名演なので。

ルイスのスラップを堪能するという意味では「Light Up the Night」に収録されている(シングルカットもされてる)「Stomp!」がおすすめ。

当時は曲中にスラップソロが入ってること自体が衝撃でした。

The Brothers Johnson ✧ Stomp! “Light Up The Night” (1980) (1996 A&M)

左側のグラサンは兄のジョージジョンソン。

で、右側で出してはいけないものを出してるように見えるのがルイス・ジョンソンです。

深夜番組でさらに衝撃

昔、テレビで「11PM」って深夜番組をやってて、曜日によってはちょっとお色気な放送があったりで、ドキドキしながらこっそり観てた記憶があるんですが、その番組にルイス・ジョンソンとジョージ・デューク(キーボード)がゲスト出演した回があったんですね。確かその日の司会は愛川欽也さんだったような記憶が。

で、そのとき披露したスラップの演奏がそれはそれはエゲツなくって。もう何回録画したビデオテープを見返したかわかりません。

ブラザーズジョンソンの「Stomp!」で披露したスラップソロもすごかったですが、このときはスタジオでの生演奏ということもあってその臨場感をかなりダイレクトに感じることができたんですね。

その数年後、ルイスの教則ビデオが発売されているという噂を聞きつけ、探しまくって購入。

ルイスジョンソンの教則ビデオ

ラリー・グラハムと比較されがちなルイス・ジョンソン

ルイス・ジョンソンといえば必ず比較されるのがラリー・グラハム。両者スラップの第一人者であることに間違いはないんだけど、どちらかといえばラリー・グラハムの方がスラップ生みの親みたいな扱いで、ルイス・ジョンソンのことを二番煎じみたいに言う声も少なからずあったような気がします。

まあ二人の年齢は10歳近く違いますし、先に注目されたのもラリー。ただ、スラップをより世間に知らしめたのはルイスではないかと。それに、同じスラップでも全然スタイルが違うから、どっちがどうとか比較する事自体が野暮ってもんです。

ルイスがラリーを参考にしたのかどうかはわからないし、たまたま近い時期に似た奏法が発生したのかもしれない。
そもそもそんなことはどうでもいいんだけど、ちょっとかわいそうな感じがします。

ブラザーズジョンソンでの活躍がきっかけで、派手なスラップ奏法ばかりが注目されがちなルイスですがが、その実態はどんな演奏も器用にこなせるスタジオミュージシャンです。
実際に彼がレコーディングに参加したアーティストは数しれず。しかも超がつくメジャーどころがズラリ。

有名なところではマイケル・ジャクソン。オフ・ザ・ウォール(Off The Wall)やスリラー(Thriller)、ビリー・ジーン(Billie Jean)なんかもルイスのベース。誰もが一度は耳にしたことがある曲だと思いますが、もうこのフレーズ無しでは成り立たないってくらいリフの存在感がスゴい。しかも音を切るタイミングが絶品!

日本ではユーミン(松任谷由実さん)の「BLIZZARD」(映画:私をスキーに連れてって)、角松敏生さんの2ndアルバム「WEEKEND FLY TO THE SUN」なんかにも参加してますね。さすがに今聴くと音質含め古めかしい感じは否めませんが、ベースラインは楽曲に見事にハマってます。

ルイスは あの超大物プロデューサー、クインシー・ジョーンズの秘蔵っ子だったってくらいだから、よほど音楽業界の中では認めらた存在だったんでしょう。
何かの雑誌でクインシーのインタビュー記事を見たんですが、ルイスはものすごく記憶力が良いらしく、一度曲を聴いただけで全部覚えてしまうんだとか。いろいろ羨ましい限りです。

これはあの有名なAi no Corrida(邦題:愛のコリーダ)での演奏。

凄まじいボトム感です。

Quincy Jones with louis Johnson ai no corrida

ちなみにショッキングピンクのレオタードみたいなの着てるのがクインシー。

ファッションセンスは「?」のようです。

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実はルイスジョンソンに大阪で会ったがある

かなり昔の話なんですが、大阪の某楽器屋に行った際、そこに訪れてたルイス・ジョンソンに出くわしたことがあります。

いきなりお店にいたんでびっくりしました。さらに驚いたのがその手ですよ手。

いやもうね、デカいなんてもんじゃない。なにせ小指がボクの中指よりも長いんだから。これマジです。しかも「足長っが!」 なんやねんその異次元なスタイルの良さは。

指は長い、手は長い、足も長い、多分色々長いんやろな!

何でもこの頃ルイスは日本で作ったガールフレンドと大阪に住んでたらしい。

反則使いやがったなオイ。

ザ ブラザーズ ジョンソンで演奏してた頃って ド派手な衣装にアフロヘアーで、しかもベースを張り手でバッカンバッカンどつきまる姿から かなりヤバイやつってイメージがあったんですが、実際会ってみると物腰の柔らかい優しそうな目をしたニイちゃんでした。

ちなみに、当時のルイスは その某楽器屋のアドバイザー的なことをやってて、結構頻繁にお店に出入りしてたみたいです。彼のオリジナルのベースも店頭に飾ってあって、実際に弾かせてもらったんだけど、プルで人差し指が当たる部分が大きくえぐってあってメッチャ弾きにくかった記憶があります。

これはルイス直筆のサイン。

ルイスジョンソンのサイン

残念ながら本人にもらったんじゃなく、すでにお店にあったやつを店員さんからもらいました。

ルイス・ジョンソンのベース

ルイスのトレードマークといえばミュージックマンのスティングレイ。ブラザーズジョンソンの時や、後に販売した教則ビデオでも使用するなど、かなりお気に入りだったようです。

前章で書いた「11PM」に出演したときはヤマハのBBシリーズをカスタムしたものを使ってました。

ルイスは親日家なので、日本のテレビショーでは日本の楽器を、という気遣いがあったのかも知れませんが、この頃のヤマハは有名なアーティストと積極的にエンドースしていましたし、他にもたくさんのカスタムBBを所有してたことなどを考えると、ひょっとしたらルイスとも契約していたのかも知れません。

その後、サンダーベース(Thunder Bass)という名の変形ベースを使用。
なんとアルバムタイトルにしてしまってます。
(このジャケット上部のアリクイみたいなやつがそう)

ルイスジョンソンのサンダーベース

セイバーやアレンビックなどを使ってた時期もあったようですが、後年は例の某楽器店で作ったオリジナルベースをメインで使ってました。

まとめ

結局、ルイス・ジョンソンについてツラツラと書いただけのエントリーになってしまいましたが、きっと同じ世代の方なら「うんうん」と頷いていただける方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。

また、「へぇ~知らんかった」って人は是非この機会に、スラップのルーツとも言える彼の演奏に興味を持っていただければ幸いでございますデス。

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