ベースのDIの必要性?ライブハウスにマイDIを持ち込みする意味ある?

ベースをやる上でDIは必要なのか? ベース

「ベースはDIで音が変わる」って聞いた事ないですか? 音楽雑誌や楽器店のサイトなんかでもよく特集され その必要性や個々の違いについて語られてます。

まことしやかに言われているこの情報、実際のところどうなのか? もしメッチャ変わるなら1台買おうと思ってる方もいるんじゃないでしょうか。

と言うわけで今回は、

DIで音は変わるの?
ベーシストにとってDIの必要性って?
ライブハウスに自前のDIを持ち込むのってどうよ?

などについて個人的な見解を語ってみたいと思います。

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ベースのDIの必要性って?

そもそもDIとは?

正式名称はダイレクト インジェクションボックス、通称ディーアイ。

「で、そのDIって何やねん?」という話なんですが、簡単に言うとライブなどの際にベースの信号をクリアな状態でPAに送り届けるためのシロモノ。

ベースから出る信号って実は非常に多くの雑味を含んでいて、そういうのをハイインピーダンスっていうんですが、DIという機械を通す事によって信号を鮮度の良い状態(ローインピーダンス)にしてPAに届けることが出来る、といった役割があります。

「ギターみたいにアンプにマイクを立て録ればいいんでないの?」と思うかもしれないですが、帯域の広いベースをマイク1本でバランスよく撮るのはなかなか難しく、しかもその都度条件が変わるライブの現場では至難の業なんです。

DIといっても色々ある

DIにも色々あって、

1.コントロール類が付いてない純然たるDI専用機
主にライブハウスにあるのはこのタイプ。

2.ベース用プリアンプでDI機能を兼ね備えたもの
サンズのベースドライバーDIやアバロンのU5とかが有名。

3.DIアウトが付いたベースアンプ
「DI out」「XLR out」「Recording out」など呼び方は色々だけど、やや大きめの3ピンの端子がそれ。

2と3についてはDIは付加機能なのでともかく、今回は「1」の純然たるDI専用機を個人で持つ必要性があるのかって話です。

マイDIは持っておく方がいい?

個人的な意見としては「これがあれば音が良くなる」と思ってるなら買わない方がいいと思います。

だってDIって積極的に音作りをするための道具じゃないですから。
(さっき書いたDI付きプリアンプは別ですよ)

もちろん各メーカーによって、使われているトランスやコンデンサ・ICなどの電子部品が違うんだから 全く同じ結果であるはずはないんですが、それは音色というより音質の違い。

「音質が良くなるんなら使う意味があるんじゃ?」と思うかもしれないですが、どちらかと言えば、機能・使い勝手・機械としてのクオリティなどに期待するのが正解。

宅録に凝ってるとか 自宅にスタジオ作るって言うなら話は別だけど、通常の演奏でDIをつなぐ必要性はまずないです。

なぜDIで音は変わると言われているのか?

ある頃から「DI特集」「DI比較」「おすすめDI」といった、「DIで音変わるよー」的なことが言われるようになりました。

この「音が変わる」っていうのは前章で書いた「DI機能を搭載したプリアンプ」のプリアンプ部分によるもの。

ところがこの「DI機能を搭載したプリアンプ」のことを「プリアンプ」とは呼ばず「DI」って呼ぶもんだから、「DI=音変わる」と勘違いしちゃう。

繰り返しになりますが、DIはハイインピーダンスをローインピーダンス化することが主な役割で、音色変化をさせるためのものでは無いです。

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ライブハウスに自前のベース用DIを持ち込みする意味はあるのか?

昨今のDIブームの影響か、ライブハウスにマイDIを持ってきて「これを使ってほしい」って人も多いみたいですね。

「高性能なDIであればより良い音質が期待できるはず」と考えての事かもしれないですが、まあ大して違いはありません。

違いがないって言うと語弊があるけど、そもそもライブの出音なんてその日の状態によってガラッと変わります。

しかもライブハウスの大音量の中では、DIによる音質の微妙な違いなんぞ無いに等しい。

まあ、サンズやアバロンの プリアンプとしての音が気に入ってるから、それに付いてるDIを使いたいって気持ちはわからなくもないんですが、残念なことに肝心のプリアンプの音はDIアウトからの信号には反映されません。

ましてやアンプ機能も無いただのDIを使ってくれなんて言うのは全く無意味。

例えるなら、レストランにフライパン持ちこんで「料理はこれで作ってくれ」って言うようなもんです。火の通りも変われば調理時間も変わる。料理人からすればいい迷惑。
百歩譲って「そこまで言うなら使ってもいいけど、失敗しても文句言わないでね」ってのが本音でしょう。

DIも同じで、その使い勝手や信頼性、個性など含め、ベーシストのためというよりエンジニアのための物。なのでPAさんが「おーこれは音がクリアだ」とか「ノイズが少ない」って納得して選ぶもの。

そんなPAさんが普段から使い慣れているであろうDIを拒否してまで わざわざマイDIを持ち込む事に意味があるとは到底思えないんですよね。

スタッフの心証もよくないでしょうし、機械がトラブったときのリスクなどを考えるとむしろデメリットしか感じられません。

まとめ

DIで音は変わるの?

DI自体ではほとんど音は変わらない。変わるとすればプリアンプ部分。

ベーシストにとって必要性はあるの?

大抵のライブハウスには用意されてるので、あえて持つ必要性は無いと思います。

ライブハウスに自前のDIを持ち込むのってどうよ?

やめときましょう。

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