バンドのギターとベースの立ち位置って決まってるの?ライブのステージで逆に立つと問題ある?

ベース

バンドのライブで演奏する時の立ち位置って、ステージ向かって右がギターで ベースが左ってパターンがほとんどですよね。
どうしてなんだろうって不思議に思ったことないですか?

何か理由があるの?
ベースが右だと何かマズイことでも?
立ち位置が逆のバンドってないの?

などなど。

今回はバンド内でのギターとベースの立ち位置についてです。

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バンド内でのギターとベースの立ち位置

「なぜギターが右でベースが左なんだ?」という疑問の前に、右とか左とかって表現は 演奏者側からなのか客席側からなのかわかりづらいですよね。

なので、これを分かりやすくするために、

「上手」=客席からステージに向かって右側
「下手」=客席からステージに向かって左側

って呼び方をします。

ステージの上手と下手

こんな感じね。

ちなみに読み方は上手(かみて)、下手(しもて)。

上手(うわて)/下手(したて)でもなければ 上手(じょうず)/下手(へた)でもないので注意。
ニホンゴ、ヤヤコシーネー。

ギターが上手かみてでベースが下手しもてが多い理由

で本題なんですが、実はこれについては諸説あるんですね。それが、

  • ビートルズの影響説
  • 上手(かみて)が花形説
  • ドラムとのコミュニケーション説
  • ドラムの配置に合わせた説

などなど。
一つづつ見ていきましょう。


・ビートルズの影響説

グループ・サウンズなど日本のバンドブームの牽引役となったビートルズ。その影響力は絶大で、初来日以降 多くのバンドが彼らのステージングを参考にしたのは言うまでもありません。

All My Loving – Ed Sullivan

ビートルズの各メンバーの立ち位置は下図のような配置になってます。

ビートルズのステージポジション

向かって右から、

  • 上手かみて=ジョン・レノン(G)、
  • 後方=リンゴ・スター(Dr)
  • 中央=ジョージ・ハリスン(G)
  • 下手しもて=ポール・マカートニー(B)

といった感じ。

なぜこの並びなのかっていうと、ご存知の通りビートルズのベーシストであるポール・マッカートニーは左利き。中央のジョージ・ハリスンのギターと、ヘッド同士がぶつかり会うのを避けるため このような立ち位置になったわけです。

その後、多くのバンドやライブハウスなどがビートルズにならってステージセッティングをしたため、この位置関係がスタンダード化したと言われてます。

個人的にも、この「ビートルズの影響説」が最有力かなと思ってます。


・上手(かみて)が花形説

「上下関係」とか「上座 下座」って言葉があるように、大体は「下」よりは「上」の方が高い位を指すことが多いですよね。

あと、日本は古来から左を上位とする考えがあって、例えば天皇の次の位である大臣は、左大臣の方が右大臣よりも上位とされてます。
日本の伝統芸能の能舞台なんかでも演者から見た左、つまり客席から見た右側を上座とみなして上手(かみて)と呼んでるんですね。

で、バンドの話に戻るんだけど、やっぱりギターって花形じゃないですか。今でこそベースにスポットライトが当たることも多くなってますけど、その昔はベースといえばジャンケンで負けた奴がなるってくらい地味な存在。

なので花形であるギターは上手かみて、地味なベースは下手しもてへと振り分けられたまま今に至ったのではないか、とも言われてます。悲しー。


・ドラムとのコミュニケーション説

演奏する際にドラムの右側に立つ方がアイコンタクトが取りやすいため、ベースが下手しもてになったと言う説です。

確かに同じリズム隊としてベースとドラムのコミュニケーションは大事。だけど左側でも問題なくアイコンタクトは取れると思うんですけどね。

つか、ドラムの人はハイハット方向に顔を向けてることが多いので、実際にはむしろ上手かみてに立った方が目が合いやすいような気がするんですけどね。

というわけで、この説は何となく後付け的なニオイがします。


・ドラムの配置に合わせた説

ドラムのタムって、演者から見て右手側に行くほど低くなってますよね。なので、その流れで音の低いベースが下手しもてに位置してるという説もあります。
ただこれも、後付けで無理やりこじつけてる様な気がしないでもない。

だって、ステージ上のベースアンプなんてベーシストのモニターでしかないわけだし、客席には会場のスピーカーからの音が届くんだから、立ち位置がどこであろうが関係ない。

海外のバンドとかだと結構逆パターンもあるし、ジャズのコンボなんか見てもベースが上手かみてなんてザラ。

あと、オーケストラの場合は上手かみて側に行くにしたがって低音パートが並ぶという、この説とは真逆の位置関係になってますしね。


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結論。ベースとギターの立ち位置に明確な決まりはない

ここまで、ギターが上手かみてでベースが下手しもてというパターンが多い理由について、いくつかの説をご紹介してきましたが、結局のところ絶対にこの並びじゃないとダメとか 音のバランス的にこれがベストってわけではないんですね。
要するに立ち位置については特に決まりなんてものはないので、そこは柔軟に捉えてOK。

ただ、決まりはないって言っても いつでも好き勝手にしていいってわけじゃないです。

会場手配から設営、機材、PA、スタッフなど全て自分たちで手配するようなライブならともかく、通常はライブイベント会場やコンテスト会場、ライブハウスを借りてのライブだったりなので、あらかじめアンプなどの機材は定位置にセットされてることがほとんど。

そんな状況で立ち位置の変更を申し出るなんてのは、運営側からすれば そりゃー迷惑な話。

アンプを多少移動させるくらいならともかく、大幅に場所を入れ替えるとなると配線の引き回しの問題とかも出てくるし、終わったらまた元に戻さなきゃいけないしで大変です。

なので、よほどの理由がない限り指定された場所に立つというのが出演させてもらう側のマナーです。

ライブのステージで立ち位置が決まってない場合はどうする?

機材持ち込みのライブとかだと、特に立ち位置が決まってなくて「どこでもお好きな場所に」って場合もあります。

ベーシストが普段から慣れ親しんでる下手しもてを選ぶのもいいですが、ボクの場合は上手かみてを希望することが多いです。

そのほうがハイハットの音が聞き取りやすくて安心なんですよね。

もちろん状況にもよるんですが、演奏する曲やモニターの返り具合、ドラマーにパワーがない、ギターの音が馬鹿デカイ、など、場合によっちゃあドラムのリズムがヒジョーに聴こえづらい時があるんです。なのでそんな場合はできる限り上手かみてを陣取って必死でハイハットの音を聴くようにしてます。

ハイハットさえ聴こえればなんとかなるので。もちろん他のメンバーと相談の上でなんだけど、おそらくこの方がリズムがまとまりますし、リズムがまとまると他のメンバーも演奏しやすくなり、ひいてはバンド全体の演奏が良くなるはずです。

あ、それから、ベースはネックが長いので、狭いハコで演奏する場合なんかは下手しもてに立つとヘッドでドラムのシンバルを「グアォ~ン」って叩いてしまうことがあるんですね。なので、そういう時も上手側の方が演奏しやすかったりはします。

ギターとベースの立ち位置が逆の有名バンド

参考までに、ギターとベースの立ち位置が通常とは逆のバンドをいくつか紹介しておきます。

海外のバンド編

Rush(ラッシュ)

Rush – Limelight
ベースのGeddy Lee(ゲディー・リー)が上手かみて

John Mayer Trio(ジョンメイヤートリオ)

John Mayer Trio Live at the Bowery Ballroom, New York (23/11/2005)
ベースのPino Palladino(ピノ・パラディーノ)が上手かみて

TOTO(トト)

Toto – Live in Yokohama [1999] [Bootleg] [HD Remaster]
ベースのMike Porcaro(マイク・ポーカロ)上手かみて

日本のバンド編

Mr.Children

Mr.Children「HANABI」 Tour2015 REFLECTION Live
ベースの中川さんが上手かみて

BOOWY

BOØWY「B・BLUE」 from ブルーレイ『“GIGS” CASE OF BOØWY COMPLETE』
ベースの松井さんが上手かみて

パッと思いついたのはこのくらいですが、探せば他にもいっぱいあると思います。

まとめ

ベースとギターの立ち位置について、あれこれ考察してきました。

ざっとまとめておきます。

ギターが上手でベースが下手というパターンが多い理由については、

・ビートルズの影響説
・上手(かみて)が花形説
・ドラムとのコミュニケーション説
・ドラムの配置に合わせた説

などなど。

いずれも憶測の域を出ませんが、個人的にはビートルズの影響説が有力なんじゃないかなと思ってます。

実際、逆のレイアウトでライブをしてるプロのバンドも多々あるので、結局は好き好だということでしょう。

なので、自分たちが路上でライブやるときなんかは自由にしてOK。

ただ、ライブハスなど あらかじめセットの位置が決まっている場合は、ありがたくそのまま使わせていただきましょう。

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