ベース初心者さんにとってタブ譜(TAB譜)はありがたい存在。バンドスコアや教則本なんかでも必ずと言っていいほどタブ譜が表記されてます。
ただ、取っつきやすいとは言え、読み方や見方など、慣れてないとよくわからないものもあります。
通常の楽譜では使われないような特殊な記号も結構ありますしね。
というわけで今回は、ベースのタブ譜の読み方や見方、表記の意味について解りやすくまとめてみました。
ベース初心者だけどタブ譜の読み方が知りたい!
タブ譜(TAB譜)を考えた人ってスゴいですね。タブ譜ならパッと見ただけでどこ押さえたらいいか一目瞭然。
その仕組みを簡単に説明していきますね。
タブ譜の見方
まずは、ベースで「ドレミファソラシド」を弾くときの基本的な指板上のポジションを確認しておきましょう。
これを五線譜で表すとこうなります。
ベースの楽譜はヘ音記号で書かれてるので、ト音記号のときとはオタマジャクシの位置が違うので注意してくださいね。
で、これをタブ譜に置き換えると、こうなります。
4本の線はベースの弦を表していて、書かれている数字は押さえるフレットを示してるってわけ。
もう少しわかりやすくするとこんなかんじ。

ちなみに、5弦ベースのタブ譜は線が5本、6弦ベースなら6本になります。
バンドスコアだと五線譜の下にタブ譜が書いてあって、棒やハタの部分が省略した表記になってる場合も多いです。
音の長さはオタマジャクシを参考にせよってことですね。
なんとなくイメージ掴めました?
ベースのTAB譜でよく使われる記号を一覧表記
タブ譜によく出てくる記号をあげておきます。
基本的にはギターに使われる記号と同じだけど、ベースはそれほど小細工が必要ないので「まあこれくらい覚えておけば大丈夫」という代表的なものを紹介しておきます。
ハンマリング・オン
ピッキングしたあとに左手の指で強く押して音を出す方法。
譜例では5フレットを弾いたあと、左手の指で7フレットを勢いよく押さえます。
スラップの場合はこのパターンがバンバン出てきます。
プリング・オフ
ピッキングしたあと、押さえてる指を引っ掛けるようにして離す事で音を出す方法。
さっきのハンマリング・オンとは逆のパターンですね。
譜例では3弦7フレットを弾いたあと、押さえてた左手の指を勢いよく離して3弦5フレットの音を出します。
スライド
ピッキングしたあとに次の目的の音まで指を滑らせる方法。
譜例では3弦5フレットを弾いたあと、弦を押さえたまま指を7フレットまで移動させます。
音符をつなぐ曲線を、斜めの棒みたいな直線で表してる場合もあるけど基本的には同じ意味合い。
グリッサンド(グリス)
スライドと似ているけど音の行き着く先が決まっていません。
指の移動距離が比較的長い場合が多く、主に装飾的に使われたりします。
譜例では3弦5フレットを弾いたあとにボディ側に指を滑らせて音を上昇させ、1弦9フレットを弾いたあとヘッド側に指を滑らせて音を下降させます。
大胆にブイーンとやるのがコツ。
トリル
ピッキングしたあとハンマリング・オンとプリング・オフを繰り返しながら音を持続させる方法。
譜例では3弦7フレットを弾いたあと、3弦9フレットを押さえたり離したりを素早く繰り返します。
チョーキング
ピッキングしたあとに押さえてる弦をグイッと押し上げる、もしくは押し下げて音程を上昇させる方法。
チョーキングしてる指を戻すことで音程を下げるのはチョーキング・ダウン。
フレーズに微妙なニュアンスを付けるときとかに使ったりするけど、半音以上チョーキングするのって ほとんどソロのときくらいしかないと思います。
あと、先ほどのトリルにも出てきたけど、小さい数字についてるスラッシュ(/)みたいな斜線、これは「短前打音」って言って、目的の音の直前に弾く短い音のことです。
例えば「ド」の音を弾くときに、半音下の「シ」を短く弾いてから「ド」を鳴らす感じ。チョーキングでもスライドでもハンマリングでもプリングでも使える汎用性の高いテクニックの一つ。
「シド~」みたいな。
うーん、表現むつかしいです。
ビブラート
ピッキングしたあとに押さえてる指を振動させて音を揺らす方法。
ビブラートのかけかたは色々あって、
- 押さえてる指をその場でグリグリする。(上品で控えめ)
- チョーキングとチョーキングダウンを繰り返してウニウニさせる。(センスの善し悪しが出る)
- 押さえてる指を前後に大きくスライドさせてブインブイン言わせる。(ド派手にキメたいとき)
などなど。
比較的簡単に出来るテクニックですが、下手するとかえってダサくなるので注意が必要。
ミュート
このバツ印(×印)はミュートと言って音程の無い音のこと。左手の指を浮かした状態でピッキングしたときに出るような音。
譜例の場合は、4弦解放を弾いたあと左手の指を使って弦に触り、音をころした状態で右手でピッキング。
ミュートのやり方は多種多様。やり方が違えば音もかなり違ってきます。
右手の掌の部分を弦にあてながら親指で弾く方法や、ハンマリング・オンの要領で左手の指を指板に叩き付けて出す方法とか様々。
特にスラップのときはミュートが重要で、右手で・左手で・親指で・人差しで、と譜面上にミュート記号がオニのように出てきます。
スタッカート
音を短く切ること。弾いたあとに左手の指を弦から浮かすor違う指で音を止める。または右手の指で音を止めるなどなど。やり方は臨機応変に。
例の場合「ボーンボーンボーンボーン」ではなく「ボッ・ボッ・ボッ・ボッ・」って感じ。
タブ譜でスラッシュみたいな斜線が書いてあるときの弾き方
小節内にスラッシュみたいな斜めの線が書かれてる事があります。これは前の音と同じ弾き方を繰り返すってこと。
この場合、3弦5フレット+1弦7フレットのパターンを斜線の数だけ繰り返します。
このほうが見やすいし、書くのも楽。
一般的には繰り返し記号って呼ばれてます。まあ漢字の「々」みたいなもんですね。
タブ譜でカッコで囲われてるところの弾き方
同じ小節内にカッコで囲われた違う数字が書かれてある事があります。
これは、曲の1番と2番で弾き方が違っている場合にこういう書き方をします。
1回目は5555だけど、2回目(2X)に弾くときは(5234)って弾いてねってことね。
ベースのタブ譜の見方について:まとめ
タブ譜の読み方、解ってもらえました?
一部では「タブ譜なんて邪道」「音符で覚えるべき」なんて意見もあるけど、ボクはどっちでもいいと思ってます。
音楽は音を楽しんでナンボ。
楽譜もタブ譜もそのためのツールの一つ、音を知るための便利グッズみたいなもの。便利だと感じればどんどん使ってください。
ただ、クラシックの楽譜と違ってバンドスコアは結構間違いも多いので、必ず自分の耳で聴いて音を確かめるようにしてくださいね。
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