ギターやベースの梅雨時期の管理方法。ネックの反りと湿度との関係!

ギターやベースの梅雨時期の管理方法 ベース

梅雨のシーズンってイヤですよね。ウチの楽器達も憂鬱そうにしております。

ギターやベースなど木でできた楽器にとって、このジメジメした湿気は大敵。ちゃんと管理しておかないとネックが反ったりカビが生えたり。

取り返しのつかないことになる前にきちんと対策しておきましょう。

今回は、梅雨時期のギターやベースの管理方法、湿気から楽器を守るための保管場所などについてご紹介していきたいと思います。

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ギターやベースの梅雨時期の管理方法

楽器に最適な湿度

梅雨の問題点は、あの湿気です。

楽器にとってちょどいい湿度は50パーセントくらいと言われてて、これって人間が快適と感じる湿度と同じくらい。

楽器屋さんでも大体そのくらいに湿度管理をしているところが多いみたいですね。

ちなみに40%以下になると目や喉の乾燥を感じはじめ、65%以上になるとカビやダニが発生し出すんだそう。

「乾燥してるな~」とか「蒸し暑っついな~」と感じるようなら危険信号ってことですね。

日本の梅雨時期の平均湿度は約70%、ヘタすりゃ90%超えて来るんで、何の対策もせずにいることは楽器にとってあまりにも無防備です。

湿度がギターやベースに及ぼす悪影響いろいろ

ネックが反る

ギターやベースは、湿気の影響をモロに受けやすいんですが、中でもネックは湿気に敏感です。

木というものは湿度によって膨張と収縮を繰り返す性質があるんですが、極端に湿気すぎたり、逆に乾燥しすぎたりすると大抵の場合は片側に反ってしまいます。

元々ベースは弦の張力が強いので、季節関係なく反るときは反るんですが、湿気がそれに追い打ちをかけるわけです。

大体は順反り方向に動くことが多いんですが、中には逆反りしてしまったり、さらにひどい場合はネックがねじれたり波打ってしまったり。
こうなるとトラスロッドの調整だけでは対処できないので、楽器屋さんなどでの修理が必要になります。

金属のパーツが錆びる

エレキギターやエレキベースにはたくさんの金属パーツが使われてます。

弦・ペグ・ブリッジ・フレット・ネックプレート・ストラップピン・ビス、などなど。

メッキ部分に剥がれや傷などがあるとそこからさびが発生します。スチール製のものは赤さび、真鍮製のものは緑青にやられます。

特に赤さびはあっという間に内部にまで広がってしまいますし、進行すると表面のメッキがポロポロ浮いてくるので要注意。

あと、外からは見えにくいですが、コントロール内部のポッドやジャックの接点が錆びると接触不良を起こしたりガリの原因になります。

木部にカビが生える

何が嫌かって、カビですよカビ。カビを見つけるとテンションダダ下がりです。

ボディ表面にうっすらと生える白カビはタオルなどで拭けば比較的簡単に取れるんですが、青カビが生えてしまうとかなり厄介。

青カビってネックとボディの接合部とか、ピックアップやコントロールのザグリ部分など、主に塗装がされてない部分に発生するんですよね。

こういったところって完全に拭き取るのが困難な場所。しかも木の細部にまで入り込むので少しタオルで拭いたくらいでは取れないですし、強くこするとカビを木の目の中に押し込んでしまうことになります。

拭き取り残しがあるとまた生えてきますし、ホント気分が滅入ります。

あと指板とフレットの境目に溜まったホコリとかにも生えやがります。

音がこもる

「こもる」という表現が正しいのかどうかわからないですが、とにかく「こんな音だっけ?」ってくらい変わります。

大抵の楽器は塗装やオイルフィニッシュで保護されてるので大丈夫そうに感じますが、まあ湿気なんてものはその辺のスキマから簡単に入ってきますし、木が湿気ることでビックリするくらい鳴らなくなります。

そのくらい湿度というのは楽器に影響を与えるんですね。

余談ですが、フェンダー社のあるアリゾナ州や その隣のカリフォルニア州の平均湿度は40%くらい。

日本のミュージシャンがよくLAのスタジオでレコーディングしたがるのは、設備じゃなく その乾いた空間での音の鳴りなんだとか。

そういえば、海外で気に入って買った楽器を日本に持って帰ってくると とたんに鳴らなくなるって話も聞いたことがあります。

ボクらもフェンダーUSAをはじめとした海外製の楽器を購入する機会も多いと思うんですが、ひょっとしたら日本に輸入された段階で鳴りが悪くなってる可能性が無きにしもあらずです。

「湿度50%がいい」とか言いながら、実は40%くらいがいいんでないの?と思ったりもしますが、日本に住んでる以上どうしようもありません。

とりあえず梅雨時期の極端なジメジメを回避し、湿度50パーセント前後を維持するにはどうすればいいかを考えましょう。

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部屋の湿度を適切に保つには?

エアコンのドライ機能を使う

梅雨の嫌なジメジメをなくすにはエアコンのドライ機能を使うのが一番。エアコンによっては細かな湿度コントロールできるのもありますが、なくても大丈夫。

ちょっとかけてやるだけで全然快適さが違います。乾燥しすぎないよう、できれば部屋に湿度計を置いておくとベター。

除湿機もしくは除湿剤を使う

部屋の湿気を取るのに除湿機はかなり効果的です。お住まいの環境にもよるとは思うんですが、湿気が多い家だとびっくりするくらいタンクに水が溜まります。

ボクが以前住んでたマンションは結露がすごかったんで除湿機を置いていたんですが、1日に2リットルくらい取れてた記憶があります。空のタンクにどんどん水が溜まっていくのが不思議な感じでした。

除湿機を買うほどではないという場合は「水とりぞうさん」のような除湿剤でもOK。これもしっかり水を取ってくれます。

部屋に濡れたものを置かない

梅雨のシーズンは洗濯物を部屋干しすることが多くなると思うんですが、これは部屋の湿度をさらに高めることになってしまうので、できれば乾燥機の使用がおすすめです。

乾燥機が無い場合は、せめて扇風機かサーキュレーターで部屋の空気を循環させておくようにしましょう。

あと、雨で濡れたままの楽器のケースにギターやベースを入れっぱなしにしておくのもNG。ファスナー部分とか結構乾きにくいので要注意。

雨の日に楽器持って出かけるときはケースにかぶせるレインカバーがおすすめです。

ベース用レインカバー

こまめに楽器を拭くようにする

湿度が高いと人間も汗をかきやすくなります。ベトベトした手で触ってそのままにしておくとカビの原因にもなりかねません。

弾き終わったらタオルなどで拭くようにしましょう。

梅雨時期に限らず「使い終わったら拭く」ということを習慣づけておくと、常に楽器をキレイに保てますし弦も長持ちします。

そうそう、弦の滑りを良くするフィンガーイーズ、あれを拭き取った後のクロスでペグやブリッジなどのメッキ部分を拭いておくとサビの防止になりますよ。

ギターやベースの保管の仕方

吊り下げ式のスタンドを使う

楽器用のスタンドは大きく分けて2種類。立てかけ式と吊り下げ式。

吊り下げ式がいい理由は別の記事でも書きましたが、この時期は特に吊り下げ式がおすすめです。

ギターやベースのネックが湿気の影響を受けやすいことは前述しましたが、吊り下げることでネックがボディの重さで引っ張られ、結果的に反りにくくなります。

長期間ケースにしまう場合は湿度調整材を入れる

あまり弾く機会のない楽器はケースに入れて保管、という人も多いと思います。

その方がホコリも被らなくていいんですが、ケースの中って意外と湿気がこもりやすいんです。

なので、数日に一度はケースを開けて中の空気を入れ替えるようにしましょう。

完全に押入れの奥にしまいこんでおく場合はケース内に湿度調整材を入れておけばOK。

この湿度調整剤っていうのが良くできていて、湿度の高いときは湿気を吸ってくれて湿度が低くなると放出して乾燥を防いでくれるんです。

乾燥剤だと逆に乾燥しすぎて塗装がクラックが入ったりすることがあるので要注意。ケースに入れる場合は湿度調整剤にしましょう。

楽器の保管場所に注意

楽器の保管場所として選ばれるのって大体クローゼットか押入れ。こういった場所は総じて風通しが悪く、カビの温床になりがち。

スノコを敷くなり除湿剤を置くなりして、少しでも換気よくすることが大切。

新聞紙や木炭、珪藻土マットを置いとくのも効果的。特に木炭は湿度調整をしつつニオイも取ってくれるので一石二鳥です。

あと、ベッドの下のスペースは寝ている間の汗などの湿気が降りてくるので、楽器の保管場所としてはNG。

ギターやベースを湿度から守る保管方法:まとめ

日本の梅雨はジメジメジトジト。

うまく湿度をコントロールして、楽器とともにイヤなシーズンを乗り越えましょう。

以下、まとめておきます。

・ギターやベースは湿度に敏感

  • 部屋の湿度は50%前後をキープ

・湿度が楽器に及ぼす悪影響

  • ネックが反る
  • 金属パーツが錆びる
  • 木部にカビが生える
  • 音がこもる

・湿度を適切に保つには

  • エアコンのドライ機能を使う
  • 除湿機か除湿剤を使う
  • 部屋に濡れたものを置かない
  • 洗濯物の部屋干しをしない
  • こまめに楽器を拭く

・梅雨時期の保管の仕方

  • スタンドに置くなら吊り下げ式
  • 長期間しまう場合はケースに湿度調整剤を入れる
  • クローゼットや押入れにしまうときは除湿剤を置いて換気をする
  • ベッドの下のスペースは湿気がたまりやすい場所なのでNG
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