「楽器始めたいんだけど、ギターとベースとではどっちが楽かな?」
と聞かれることがあるんですが、そんなときはいつも「ベース楽だよ」と答えるようにしてます。
ベースの面白さを知ってほしいってのもありますし、実際に楽チンだと感じることも多いので。
それに、この「楽」というワードは楽器を選ぶ上で、そしてこれから楽器を長く続けていく上で非常に重要なポイントであると考えてます。
「楽」っていうと語弊があるので、ここでは「とっつきやすい」というニュアンスでとらえてもらえればありがたいです。
と言うわけで今回は、ギター歴7年、ベース歴ウン10年のワタクシが、ギターよりもベースのほうが楽だと感じる点について語ってみたいと思います。
ギターとベースとではどっちが楽?と聞かれてベースと答える理由
先にお断りしておきますと、「楽=簡単」ということではないです。
たとえば「メンテナンスが楽」とか「持ち運びが楽」っていうのは技術の取得とは別問題。
また「楽=楽しい」という意味合いでもないです。
それを踏まえた上で、エレキギターとエレキベースのどちらが楽か、と聞かれれば、ボクはエレキベースの方が楽と答えます。(アコギは別)
「全然楽ちゃうわ!」と言う声があちこちから聞こえてきそうですね。
確かにスラップひとつとってみても、サムアップダウン、ダブルプル、タッピング、などなど、取得が困難な奏法はいくらでもありますし、ルート弾きも突き詰めると奥が深い。
でもそれは全ての楽器にも言えることですし、今回はそういった テクニックの難易度の比較ではなく、もっと普通の一般的な演奏面での話ですのでご了承を。
ではベースがギターに比べて楽なところを順にみていきましょう。
チューニングが楽
ギターの弦が6本なのに対しベースの弦は4本。単純に2本少ない分、チューニングをスピーディーに終わらすことができます。
当然オクターブ調整なんかのメンテナンスかかる手間も時短できます。
弦交換が楽
これもチューニングと同様、弦の数に比例する話ですね。
弦の張り替えって結構面倒くさいんですよ。でもギターに比べると単純計算で3分の2の時間でできます。
しかもチューニング中に弦を切ってしまうということもまずありません。(ギターはたまにある)
セッティングが楽
バンドのリハでセッティングが一番早いのはボクです。リハの時はアンプに、ライブの時はDIにシールドをつなぐだけなので。
ベーシストでもエフェクターつなぐ人はいますが、つないだとしてもコンプやプリアンプ、マルチなど1個が2個。
ギターの人ってほら、大抵足元にペダルをセットするじゃないですか。またその数が多い。いつも大変そうだなーって思いながら見てます。

経済的に楽
前章の続きになりますが、エフェクターって国交高いんです。しかもあれこれ試してみたくなり沼にハマってしまうパターンが多いんですよね。
まあギターには音色の変化が求められる部分があるので仕方ないんですが、はっきり言ってお金がかかります。
その点ベースはシールド1本あれば大丈夫。実に経済的です。
片付けるのも楽
まあセッティングが楽なんだから片付けるのも楽なのは当たり前ですよね。
入れ替え時間にシビアなジャズフェスやコンテストなどでは、この撤収が早く済むというのは精神的に楽です。
足に気を遣わなくていいので楽
これもエフェクター関連なんですが、ギターの人ってエフェクター踏み変えるための足技が必要なんですよね。
曲間に音色を変えるのは問題ないですが、演奏中に切り替えるのは結構大変。
「えっと次の曲の手前でこれ踏んで、イントロ終わったら次はこっち踏んで、ソロのところで・・・」
踏み間違えたら変な音出るし、最悪音でない場合もあるし、いろいろ考えながらやってたら演奏に集中できないだろうし。
荷物が少なくて楽
ギターの人はとにかく荷物が多い印象がありますね。これも先ほどのエフェクターが影響してるんだと思います。
ボクが今まで知り合ってきたギタリストのほとんどが大荷物かかえて車で移動してました。
カートを利用する徒歩派の人もいましたが、階段とか結構キツそうでしたよ。
ベースという楽器自体は重いんですが、トータルするとやっぱりギターよりは身軽です。
演奏する音数が少なくて楽
音数という点で比べて見るとベースはギターよりも圧倒的に少ないです。
曲によってはよく動くベースラインもありますが、平均的に少ない。
曲によってはドーンと全音符1発でひっぱることもありますし、4ビートのジャズの場合は1小節に音4つ、8ビートのルート弾きなら1小節に同じ音8つです。
もちろん16ビートのテクニカル系インスト曲の場合はそれなりに忙しくなりますが、大抵ギターの方がもっと忙しいケースが多いです。
耳コピが楽
基本、ベースは単音楽器なので音を探しやすいっていうのはあります。これがギターのコード弾きなんかだと響きを聴いて音を取らなきゃいけない。
単調なコードならともかく、ややこしいコードのボイシングを完コピするのはめちゃくちゃ大変です。
あと、歪んだギターの早弾きとかだと もう音自体が潰れて聴き取れなかったり。ホント、頭が下がります。
「F」で挫折しない
ギターを始めると、ほとんどはまずコードを押さえるところから入ります。CやG、Amなどは何とかクリアできても、その後にやってくる「F」が曲者。
大抵の人がこの「F」というコードが押さえられず挫折し辞めていくのです。
ところがベースは単音楽器のため、涼しい顔で4弦1フレットを押さえるだけで軽々とこの「F」のハードルをクリアすることができてしまいます。
とりあえずルート弾いてりゃなんとかなる
バンドで「この曲やってみよう」と渡された楽譜見ていきなり初弾くのって大変です。なのでとりあえずコードを頼りにこんな感じかなとみんなで音を出し合うわけです。
ギターの場合、コードを見たところでそのコードの押さえ方を知らないと弾けないですが、ベースはとりあえずそのコードのルート音だけ弾いとけばなんとかなります。
あと、ところどころ適当に5度とか混ぜときゃあそれなりに聴こえてしまうから不思議。
ソロが少ない
ギターは伴奏楽器であると同時にメロディー楽器でもあるので、曲中にソロを弾く機会がとても多い。
たまに弾く分にはいいけど、やる曲やる曲ソロパートがあるってのは結構キツイ。
特に初心者の場合、コードに合わせてアドリブでってワケにいかないので、前もってコピーするなり自分で考えておくなりしないとだめ。
その点、ベースはほとんどソロパートがないのでメインである演奏に時間を割けます。
もしソロやってみたいなと思ったらベースソロの入った曲を提案すると、それはそれでレパートリーがマンネリ化せず喜ばれます。
ベースがパターン化されている曲が多い
ベースってフレーズがパターン化されてる曲が結構多いんですよね。同じリフだけで延々行けちゃたりする。
同じことばっかりでつまらなくないの?思うかもしれないですが、このループが生み出すグルーヴには一種の中毒性があるのです。
たとえばこの曲。イントロからずーっと同じ1小節パターンの繰り返しで押してます。
サックスとギターとキーボードがユニゾン決めてる時も淡々とリフを繰り返し、ギターがソロ弾いてる時はなんとお休み。それでもカッコいい。
ベースの難しさを知ってる人が多いので気が楽
一昔前なら「ベース?ジャンケンで負けたの?」といった扱いでしたが、ある時期からなぜか急激にベースが市民権を得だし、さらに近年ではYoutubeなどで誰でもベース動画を見ることができ、多くの人がベースとはどういうものかというのを理解するようになりました。
また、ある程度音楽をやっている人なら十中八九ベースの重要性を口にします。
そうなんです、ベースって意外と重要なポジションなんです。
それをわかってくれる人が多いので、気が楽なんです。
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