ベース買うときって、いくら位の値段のものを選べばいいのか悩みませんか?
楽器屋さんに行くと高い物から安い物までズラッと並んでます。
見た目は変わらないのに、なんでこんなに値段が違うのか不思議ですよね。
高ければ高い方がいいのか?
安いのはダメなのか?
値段でどのくらい音は変わるのか?
今回はベースの値段による違いについて書いてみたいと思います。
ベースの値段の違いって何?
楽器の値段はピンキリ。これはベースに限らずギターでも同じ。
値段による主な違いは、
- 使っている木の材質
- 使っているパーツ
- メーカーのブランド力
- 生産国
- 組み込みや仕上げの精度
- 年代や人気
などによって変わってきます。
では順番に見ていきましょう。
使っている木の材質が違う
ベースで使われている定番の木といえばアルダーかアッシュ。一番の理由は、安定した供給ができてコスト的にも見合うから。
木の種類っていろいろあるけど、高級な木や希少な木、杢目がきれいな部位などを使うと値段は高くなります。
ほとんどが見た目の違いなので、音の善し悪しはまた別の問題。高級家具みたいなかんじ。
ただ、ネックの素材は見た目よりも実用性重視。
強度や値段を考えるとメープルに落ち着くんだけど、その中でもしっかりした物を使わないと動くんですね。木だから湿気やなんかで反っちゃう。
同じメープルでも木取りによって違ってきますし、ちゃんとしたシーズニング(乾燥)が出来ているかどうかも重要。
こういうのって、外見には現れにくい部分です。
使っているパーツが違う
ベースで使われているパーツ、例えばペグやブリッジ、ナット、コントロールノブ、ピックアップ、インレイ、バインディング、などなど。
一つ一つの差は小さいんですが、積み重なっていくとそれなりの差は出てきます。
ペグ(マシンヘッド)
パーツの中でもペグは良い物と悪いものとでかなり差があります。
安いのはメッキからしてチャチいし、チューニングが安定しなかったり、ちょっとぶつけただけで折れたり曲がったり。
ブリッジ
ブリッジも造りにはかなり差があるけど、機能的には安い物でも十分。ただ、モノによっては錆びやすかったりします。
ナット
牛骨が最も一般的で値段も手頃。ブラスナットは高いし加工も大変。プラスチックは安いけど欠けやすい。
コントロールノブ
金属製は高めでプラスチック製は安め。機能に全く差はなし。
ピックアップ
これも値段には差があるんだけど、高けりゃいいかっていうとそうでもない。安いベースに付いてる物でも案外音は悪くないものもある。
インレイ
指板に施してある貝殻などを使った装飾。ブロックインレイっていって、よくポジションマークの代わりに入ってる四角いアレです。
中にはもっと凝った柄のインレイもありますが、あくまで飾りなんで音や弾きやすさには影響しません。
でも当然ですが値段には影響します。
バインディング
セルなどでできた指板の縁取り。
これもインレイ同様、完全に飾りですが、有ると無いとではコスト的に差が出る部分。
メーカーのブランド力が違う
どんなものでもそうだけど、有名メーカーはそれなりに宣伝費などをかけてるので、その分がコストに上乗せされてます。
まあそれがブランドの力であり信頼性でもあるわけです。
生産国が違う
同じブランドでもラインナップによってかなり値段に差があったりしますが、これは主に製造している国の違い。
材料や部品が同じでも製造している場所が変わると人件費も違ってきます。
USA・メキシコ・日本・中国・ベトナム・タイ・インドネシア・etc.
人件費だけじゃなく、チェック体制や国民性なんかでも差はでそうですね。
組み込みや仕上げの精度が違う
値段やクオリティに一番大きく影響するのがここ。
使ってる木やパーツって、差があると言っても何十万円も違わないんです。
違うのは最終的な組み込みと仕上げの精度。職人の手間と技術の差でもあります。
例えば、ナットの溝、ネックの仕込み角度、フレットのピッチ、ブリッジのサドルなど、知識を持ったビルダーが時間をかけて調整しないとちゃんとした楽器にならないんです。
あとフレット端のヤスリがけの処理や配線のハンダ付けなんかもそう。安いのは仕上げが雑だったりします。
逆に言えば、安い楽器でもちゃんとしたリペアマンの手にかかればビックリするくらい弾きやすさや鳴り方が変わります。もう別物か!ってくらい。
結局そういう手間賃や技術料が加算されると高い楽器になるというわけ。
もちろん、いくら優秀なリペアマンでも、元が手に負えないようなダメな楽器だと限界はあるでしょうけど。
年代や人気が違う
オールドと呼ばれるビンテージ楽器はプレミア的な価値が付く事で値段が高くなってます。
見た目ボロボロなのに何十万円とかザラ。中には百万円越えのものも。
あと、有名アーティストが使用しているのと同じモデルは、人気が出て高くなる傾向にありますね。
例えばマーカス・ミラーが使ってるフェンダー77年製ナチュラルのジャズベースなんかは中古市場でもメチャ高いです。
確かにその時代のフェンダーはしっかりしてて魅力的ではあるんだけど、もうコンディションうんぬん抜きで77年のナチュラルって事自体がプレミア。
まあでも、ギターやベースのオールドなんて可愛いもんです。バイオリンやチェロになると何億円の世界ですからね。
億ですよ億。コワすぎです。
ベースは値段によって音に違いがある?
希少な木を使ってるとかビンテージとかは別として、一般的に値段の高い楽器のほうがしっかりと調整されているため バランスも良くて弾きやすいのが多いですし、音的なクオリティも高くなる傾向にはあります。
じゃあ高けりゃ高い程 音がいいかって言うとそんなこともないんですよね。
安い楽器でもやけに良い音がするのもありますし、高くてもダメなものはダメ。このあたりが不思議でもあり面白いところでもあります。
恥ずかしながら、ボクも今までかなり多くのベースを所持してきましたし、それなりに高級と言われる楽器もあります。
でも、今一番気に入って使ってるのはヤフオクで激安でゲットした中古の某メーカーのジャズベだったりするんですよね。
定価がいくらだったのか、古すぎてネットで探してもほとんど情報が出てこないんですが、これがまたいい音するんですよ。つくずく値段だけじゃないなと思います。
それに 音って好き嫌いがありますしね。ボクも以前はスラップが映えるようなギラッとしたクリアなサウンドが好みだったんですが、今はもう少し落ち着いた丸めで枯れたような音に惹かれるようになってきました。
要は好みの問題。ジャズベ好きの人は 高いプレベじゃ満足できないだろうし、ハムバッカーが好きな人は高価なジャズベでも気に入らないかもしれません。
そもそも値段が違っても、同じタイプのベースじゃないと音の比較はできませんしね。
高いベースと安いベースの違い:まとめ
ざっとまとめると、値段の差は主に 使ってる木やパーツ、造りの丁寧さ、プレミア的価値などの違い。
高い方がしっかりとした物が多いので、後のトラブルは少ない。それに、やっぱりそれだけ手をかけてるわけだから音のクオリティも高い。
でも高いベース=必ずしも音がいいとは限らない。これホント。
自宅で一人で弾いてるときは良い音に聴こえるのに、リハスタやライブで合わせると全然音が前に出ないとか、その逆もあり。
結局は、実際に手にして使ってみたときの感覚や好みが大切って事ですね。
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