ベースの弦を交換したいんだけど、種類が多すぎて選び方がわからないって事ないですか?
太さや長さ・材質・形状など、それぞれに違いががあるので、「何でもいいや」と適当に買ってしまうと後悔することになりかねません。
(ベース弦ってギターの弦に比べて高いですからね。)
というわけで今回は、ベースの弦の種類と選び方をご紹介したいと思います。
ベース弦の選び方のポイント
ベースの弦を選ぶときは、以下の点に着目してください。
- 弦の長さ(スケール)
- 弦の太さ(ゲージ)
- 弦の本数
- 弦の材質
- 弦の形状
では順番に見ていきましょう。
ベース弦の種類
弦の長さ(スケール)
ベース弦の長さは大きく分けて4種類。
エクストラロングスケール(スーパーロングスケール)
35~36インチ(約889~914mm)
ロングスケール
34インチ(約864mm)
ミディアムスケール
32インチ(約814mm)
ショートスケール
30インチ(約762mm)
この中で一般的なのはロングスケール。フェンダーのジャズベやプレベもこれだし、お店のベース弦コーナーで一番場所とってるのもこれ。
世の中のベースの9割くらいはロングスケールだと思います。多分。
ただ、パッケージに必ずしも「ロングスケール」とか書いてるわけじゃないので、そこが初心者の人にとってはイマイチ分かりづらいところだと思います。
また、自分のベースが何スケールか知らないなんてこともあり得る話。
まあ基本的には「大は小を兼ねる」で、長けりゃニッパーで切ればいいんだけど、短いとどうしようもありません。
それに、中には変なところで切ると巻き弦がゆるんで使えなくなるのもあるので、やっぱりサイズの合ったものを選ぶ事は大切です。
(実際には弦の長さってメーカーによって結構違うんですけどね。)
弦の本数
ベース弦ってバラ売りもしてるけど、大抵は4弦用、5弦用、などセットで販売してます。
パッケージ自体はどれもよく似てるので間違わないように注意が必要。
「まさか本数を間違うことはないわ」と思いきや、同じメーカーの同じシリーズのものだと結構紛らわしいんですよ。
本数が足りないと総替えできず悶々としますし、逆に多くても使い道がない。
しかも弦は太くなるほど値段が高いんで、間違って購入してしまうとヒジョーに悔しい思いをします。
弦の太さ(ゲージ)
弦のパッケージを見ると、
「45 65 85 105」
とか
「0.45 0.65 0.85 1.05」
とか書いてますよね。これは1弦~4弦の太さを表したもので、数字が大きくなるほど太くなります。
ちなみにこの2つ、書き方は違いますが意味合いはどちらも同じ。
45=ヨンゴ
65=ロクゴ
85=ハチゴ
105=イチマルゴ
って呼ばれてて、これが標準的なミディアムゲージになります。
この他にも
「0.40 0.60 0.75 0.95」やら
「0.55 0.75 0.90 1.10」やら
メチャメチャたくさん種類があって、名前も、ライトゲージ’(細め)・ヘビーゲージ(太め)・エクストラなんちゃら・スーパーなんちゃらとか ややこいです。
まあメーカーが自由にそう呼んでるだけで、太さがきっちり決まってるわけじゃありません。
ふーん。じゃあどれ使ってもいいの?
いや、どれでもいいってわけじゃない。
ベース弦って、一般的にはゲージが太くなるとテンションが強くなって音も太くなり、細くなるとテンションは緩くなって押さえやすくなる傾向にあります。
でもこれ、音をヘビーにしたいから太いのにするとか、指が痛いから細いのにしようって言うようなもんじゃなく、基本的には元のベースの最初についてたのと同じ太さのものを選ぶべきなんです。
って言うのも、ベースのナットの溝は 使用する弦の太さに合わせて切ってあるんで、違う太さの弦に変えると きちんとハマりきらなかったり 逆にグスグスになったりするんですね。
このナットというパーツは弦高、音、弾きやすさ、などにメチャメチャ影響を与える大切な部分で、高級な楽器になればなるほど非常にシビアに作られてます。
なので厳密に言えば、違う太さの弦に変える場合はリペアショップなどでナット部分を調整してもらわないとベストなパフォーマンスは出せなくなります。
もちろん、エントリーモデルなどの普及品の場合は そこまでシビアに考えられているわけではないですし、ある程度の許容範囲を持って作られているので、多少太さが違ったとしてもそれほど影響は感じないのも事実なんですが、いずれにせよあまり極端に太さを変えることはおすすめしません。
でも自分のベースの弦の元々の太さって知らないし・・
そいう場合は上記の「45 65 85 105」あたりを選んどけば、まあ間違いないよ。
さっき、弦の太さは変えないほうがいいって言ったけど、45が50だったり105が100だったりするくらいの違いなら、そんなに気にしなくても大丈夫。
弦の材質
材質で一般的なのはニッケル弦とステンレス弦。どちらかといえばニッケル弦の方がより一般的。
ちなみにニッケル弦はスチール弦にニッケルメッキ処理を施したもので、ステンレス弦は素材そのものがステンレス。
一般的にはステンレス弦の方が音がきらびやかって言われてますが、うーんどうなんだろう?
比べるなら同じメーカーの同じシリーズのもので比較しないと意味がないんだけど、個人的には音よりもテンションに差があるように感じます。(スレンレスの方がテンション高め)
見た目はニッケルは黄色っぽいシルバーで、スレンレスは青っぽいシルバー。
あくまで好みですが、ニッケル弦の方がニッケルメッキ特有のキラキラした光沢があってボクは好きです。
コーティング弦って何?
コーティング弦っていうのは、弦の表面に特殊なコーティング加工をすることで従来のものよりも3~5倍長持ちすると言われてる弦のこと。
最初にエリクサーからコーティング弦が発売された時は結構センセーショナルでした。ボクも何度か使ったことがあるんですが確かに長持ちします。
手触りもツルツルで最初はその独特の感触に戸惑ったけど、汗かいても指に引っかからないから弾きやすいっちゃあ弾きやすい。
音に関してはやや高音が抑えられている感じで、ギラギラしすぎず落ち着いた雰囲気。
ただねー、寿命が長いのはありがたいんだけど その分値段も高いので、どっちが得かって言われるとらよくわからない。
安い弦をこまめに交換する方がいい気もするし。。。
まあ交換の手間が面倒くさいって方には向いてるかもしれないですね。
弦の形状
ベース弦の形状は主に3種類。
ラウンドワウンド
芯線の周りに丸い線を巻いているので表面が凸凹してます。
音的には程よい明るさがありオールマイティー。スラップする人は絶対ラウンドワウンドを推奨。
フラットワウンド
芯線の周りに平たい板状の線を巻いていて表面がツルっとしてます。
丸くて温かみがある音なので、曲によってはハマります。
ハーフラウンド
ラウンドワウンドとフラットワウンドの中間。
ワウンドワウンドの表面を削る、もしくはプレスをかけて表面を少し平らにしてます。
フラットラウンド(正式名称は不明)
その昔Dean Markley(ディーン・マークレイ)というメーカーから、指板の部分がフラットワウンドで、そこからブリッジエンドまでがラウンドワウンドというトリッキーな商品が販売されてました。
たしか「フラットワウンドとラウンドワウンドのいいとこ取り」みたいな触れ込みだったと記憶してます。
実際には「フラット+ラウンド」ではなく「ハーフラウンド+ラウンド」なんですけどね。
後にグレコも同様の商品を販売しだしたんですが、今現在でも製造しているのかどうかは不明。
元々あまり使用してる人は少なかったと思うんですけど、以前 何かの雑誌の対談で カシオペアの櫻井さんが使ってるって書いてあったような。。 随分昔の話ですが。
で、どれがいいの?
おすすめはダントツでラウンドワウンド。
今売られているほとんどのベースにはラウンドワウンドが張られてるし、余程特別な理由がない限りフラットワウンドを選ぶ必要はないと思うよ。
ベース弦の違いと選び方:まとめ
弦を選ぶときのポイントは、
・弦の長さ
・弦の太さ
・弦の本数
・弦の材質
・弦の形状
長さで一番ポピュラーなのはロングスケール。
太さで迷ったら「45 65 85 105」あたりのミディアムゲージを選んでおけば大丈夫。
セットで買う場合は本数を間違わないように。
材質はニッケルかステンレスが一般的。好みなので、どちらを選んでも大きな問題なし。
形状については特別な理由がない限りラウンドワウンドを選んでおけばオッケー。
そんなところです。
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