「なんでベースの楽譜はト音記号じゃなくてヘ音記号なの?」
「どうしてTAB譜にはシャープやフラットが付いてないの?」
バンドスコアでは五線譜とタブ譜が並んで表記されてるので、ちょっと混乱しちゃいますよね。
あと、
「シャープやフラットがついてたらチューニングを変えないといけないの?」
「そもそもト音記号とヘ音記号の違いって何?」
と言った疑問も。
今回はベースのTAB譜とヘ音記号の関係、シャープやフラットがついたときの弾き方について図解を見ながら解説していきたいと思います。
ベースのTAB譜と ヘ音記号の関係
バンドスコアに出てくるTAB譜(タブ譜)と五線譜、どちらも似たような見た目ですが、実はその意味合いは全然別のもの。
まず、タブ譜に書かれてる4本の線、これはベースの1弦~4弦を表したもの。一番上が1弦で一番下が4弦ですね。
なので、5弦ベース用のタブ譜は線が5本ですし、ギター用のタブ譜は線が6本あります。
次に五線譜に書かれてる5本の線ですが、これは音の高さを表すためのもので、上に行くほど高くなって下に行くほど低くなります。階段を昇り降りするみたいなイメージですかね。
ただ、この5本の線だけじゃ1オクターブ半くらいしか表記できません。
我々ベーシストは地下5階くらいまで降りたいのに階段がない・・・
そこで、五線譜の頭に記号をつけることで、
「これは高い音用の五線譜、これは低い音用の五線譜」
というのを区別できるようにしたんですね。
その記号ってのがト音記号やヘ音記号というわけです。
次の章でもう少し詳しく、ト音記号とヘ音記号の違いや関連性について見ていきたいと思います。
ト音記号と ヘ音記号の違い
これはト音記号の五線譜上でのドレミファソラシド

これはヘ音記号の五線譜上でのドレミファソラシド

ト音記号とヘ音記号とでは、ドレミファソラシドの音符の位置が違ってますよね。
なぜなら、この2つの関係性はこうなってるから。
この画像を見てもらったら一目瞭然ですが、ト音記号の五線譜とヘ音記号の五線譜は「ド」の音を中心に高い側と低い側に別れてます。
なので、ヘ音記号の「ド」は ト音記号でいう「ラ」の位置になります。
ここが勘違いしやすいポイント。
ベースの楽譜はヘ音記号でギターの楽譜はト音記号
ギターの5弦3フレットの「ド」とベースの1弦5フレットの「ド」は同じ高さです。
ベースはギターよりも音域が1オクターブほど低いので、ヘ音記号を使った方が音符の収まりがいいんですね。
ちなみにピアノは音域が広いのでト音記号とヘ音記号の両方を使います。
主に右手がト音記号、左手がヘ音記号の方を担当。
ヘ音記号の後ろについてるシャープやフラットの意味って?
ヘ音記号の後ろに♯(シャープ)や♭(フラット)が書かれてることがありますよね。これはその曲のキー(調)を示す「調号」といわれるもの。
よく「この曲のキーって何?」とかいうアレです。
- 何も調合が付いてなければCメジャーかAマイナー
- シャープが1つ付いてたらGメジャーかEマイナー
- フラットが2つ付いてたらB♭メジャーかGマイナー
などなど。
他にも色々あって、付いてる数によってキーが違ってきます。
って、こういう話になるとアレルギー反応起こす人もいるかもしれませんが、簡単に言うと♯や♭が付いてるところを半音上げたり下げたりして弾くだけ。
たとえば♯が1つ付いてたらファの音符が出てくるたびに半音上げて弾く、♭が1つ付いてたらシの音符が出てくるたびに半音下げて弾く、という感じ。
まあ5個も6個も付いた譜面見るとさすがにゲンナリしますけどね。
シャープやフラットがついたらチューニング変えるの?
ここで「キーが変わるならチューニングも変えないといけないの?」っていう疑問が出てくるかもしれませんが、その必要は一切ナシ。
キーは曲によって違うので、そのたびにチューニング変えてたら大変です。
もっともアコースティックギターの場合はカポをつけることで簡単にキーが変えられるので それもアリ。
ベースにカポも出来なくはないんですが・・・ちょっと勇気ないですね。
タブ譜にはシャープやフラットは付かないの?
バンドスコアだとこんなふうに五線譜の下にTAB譜が書かれてますよね。
で、五線譜の方にシャープやフラットが付いてるときでも、その下のTAB譜(タブ譜)にはそういった超号は見当たりません。
(※弾きやすいように運指を変えてます)
「ドユコト?」って思うかもしれませんが、これは省略してるわけじゃなくて、そういうものなんです。
冒頭でもお話しした通り、タブ譜は 押さえる弦とフレットの位置を視覚的に表しているものなので、シャープもフラットもト音記号もヘ音記号も一切関係ないんです。
ト音記号の「ト」やヘ音記号の「ヘ」ってどういう意味?
ところで、ト音記号の「ト」とか ヘ音記号の「ヘ」って何やねん?って思ったことないですか?
ボクらが子供の頃に音楽の授業で習った「ドレミファソラシ」はイタリア語なんですね。
これを英語で言うと「CDEFGAB」
日本語で言うと「ハニホヘトイロ」になります。
つまり、
ト音記号の「ト」は「G」であり「ソ」
ヘ音記号の「ヘ」は「F」であり「ファ」
ってこと。
他にも「ハ音記号」なんてのもあるけど、これはまあほとんど使わないので今回はサラッと聞き流してください。
余談ですが、ト音記号やヘ音記号をよく見ると、書き始めのクルッとした部分の中央が、
- ト音記号は下から2番目の線
- ヘ音記号は上から2番目の線
の位置になってます。これは、
「ここがト音記号のト(ソ)の音」
「ここがヘ音記号のヘ(ファ)の音」
っていうのをわかりやすく示しているんです。
まあこれもベースやギターを弾く上で、意識することはあまりないと思います。
それにしても「ト」「G」「ソ」など、呼び方が3種類もあるって正直ややこしいですよね。
おそらく西洋音楽などの外国語表記がまだ日本に浸透していない頃に作られた呼び方が、そのまま使い続けられてるのかなと思いますが、ハッキリ言ってハ長調って言うよりCメジャー、変ロ短調よりB♭マイナーとかの方がわかりやすい。
世の中のグローバル化が進んでることもありますし、そろそろ文部科学省さんの方で統一化の見直しをしてもらったほうが良いのではと思ってしまうんですが。。。
まとめ
今回は初心者さんがつまづきそうな「ヘ音記号とTAB譜」にまつわるお話でした。
ヘ音記号やシャープ・フラットなどの記号が出てくると、ややこしそうに感じるかもしれないですが、理屈さえわかってしまえばどうってことありません。
ボクは耳コピ推奨派なんですが、だからと言って楽譜やタブ譜なんて読めなくていいとも思いません。
使えるものは何でも使ったほうが作業がはかどりますし、そのためにはこういった基本的な知識を知っておくことも大切。
バンドメンバーとの意思疎通にも役立つので、ぜひ覚えておいてくださいね。
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