リズム・テンポ・ビート
音楽をやってるとよく会話に登場するワードですよね。
普段何気なく使ってるこの用語の意味、理解してるつもりでも 実はよく違いが解らなかったりしませんか?
というわけで今回は、似てるようで全然別物の「リズム」「テンポ」「ビート」の意味や違いについて解説してみたいと思います。
リズムとテンポとビートの違いって何?
リズムとは
たとえば、
- ベースの「ズンペー ズンペー」(←スラップ)とか
- ギターの「ジャンジャカ ジャカジャカ」(←カッティング)とか
- ドラムの「ドンタン ドドタン」とか
- マラカスの「シャカシャカシャカシャカ」とか
- 木魚の「ポク ポク ポク ポク」とか
こういうの、全部リズム。譜面では音符や休符の組み合わせで表されます。
リズムって日常至る所にあります。たとえば、
- 水道の蛇口からポタポタしたたる水滴
- 大工さんが釘を打つ「トントン、トトトトン」って音
- セミの「ミーンミンミンミンミンミ~~ン」なんて鳴き声
「生活のリズム」なんて表現もしますよね。
毎日規則正しい生活を送ってるの人は1日のリズムが正確。
でも休みの日は朝寝坊だったり昼間ゴロゴロしたり、夜更かしとかでリズムが乱れがち。
だけども毎週そのパターンが繰り返されるなら週単位でのリズムは正確。
四季とかもそう。夏になると暑くなって冬になると寒くなる。春には桜が咲き、秋には紅葉する。こういうのも一年のリズム。
つまり、一定のパターンが周期的に繰り返されるとそこにリズムが生まれるわけです。
演奏でリズムが正確だと「リズム感がいい」、ヨレヨレだと「リズム感が悪い」となります。
ちなみに、リズムが前にツッコミ気味に速くなってくると「ハシってる」、遅れがちになると「モタってる」って言われます。
テンポとは
テンポって、簡単に言うと速度。
歩き方で言うと「ゆっくり歩く」「小走り」「かけ足」など、そのときによって足を動かす速さや移動時間って違いますよね。そんな感じ。
曲を演奏する時のテンポって、別にゆっくりでも早めでもそれは自由。同じ曲でもカバーする人によって速さが違ったりするでしょ。
ただ、バンドでコピー曲を演奏する時なんかは、一応 元の曲の速さに合わせようとしますよね。
そのためにバンドスコアなどの楽譜には原曲のテンポが表記されてることが多いです。
テンポ記号は楽譜に表記されてる
よく「♩=120」みたいなのが書かれてるの 見た事ありません?
あれはBPM(Beats Per Minuites)って言って 曲のテンポを表す記号みたいなもんです。
「♩=120」は1分間に♩(4分音符)が120回打つって意味。
1分間、つまり60秒で120回だから秒針の倍のスピードってこと。
メトロノームをこの数値に合わせれば、わざわざ原曲聴かなくてもテンポがわかるってわけです。
あと「Andante(アンダンテ)」とか「Allegro(アレグロ)」とか、用語で表される事もあります。
ちなみに、
- Andante(アンダンテ)=歩くような速さで
- Allegro(アレグロ)=快速に
と若干あいまいです。
指定がある場合は、一応は書かれてあるテンポで演奏するのが基本なんですが、「何が何でもこのテンポで演奏せよ」って事じゃなく、あくまで目安として利用すればいいだけ。
バンドで演奏するなら自分たちが一番心地よいと感じるテンポで演奏するのがベター。
ビートとは
リズムとごっちゃになりやすいのがビート。
一般的には「beat=拍子」。よく「心臓の鼓動」とか「足踏みの音」なんかに例えられます。
よくあるビートの種類って
- 4ビート=4分音符主体のリズム
- 8ビート=8分音符主体のリズム
- 16ビート=16分音符主体のリズム
こんなかんじ。
でもこれだとリズムとの違いがイマイチはっきりしないですよね。
「ビートが感じられる」って、もっとこう、何て言うか、ノリというかウネリというか、踊りたくなるというか・・・
リズムはそのサイクルが正確であればあるほど いわゆる「リズム感が良い」って事になります。
だけど「ビート」というのは少し違ってて。
例えば、リズムマシンを使って 1小節の中に8分音符を8つ打ち込んだとします。

はい、超正確な8ビートが完成。で、これを繰り返すと、

うーん、いくらリズムが安定してるとはいえ、これじゃ無機質すぎて全然ノレません。
なので、こんな風に1・3拍目アクセントをつけてみましょう。

さっきまで無表情だったリズムに表情がでてきます。拍の頭がはっきりした事で裏拍も見えてきましたね。
さらに、1・3拍目を強く、2・4拍目を少し強く、裏拍は弱く、という具合に強弱をつけてやると

ホラ、どんどんリズムが生き生きしてくるでしょ♪
さらにさらに、それぞれの音を切るタイミングなんかを意識していくと、もう腰がウズウズしてたまんなくなってきます。(笑)
このようにテンポとリズムが一定でも、強い音や弱い音が組合わせる事で躍動感が出てきます。これがビートが感じられる状態。いわゆるグルーブってやつ。
厳密に言えば音の発する微妙なタイミングとかでも変わるんですが、話がややこしくなるのでそれはまた次の機会にでも。
リズムとテンポとビートの意味:まとめ
いやー、言葉で伝えるのって難しいです。
メッチャざっくりまとめると、
リズム
周期的に繰り返されるパターン
テンポ
曲の速さ
ビート
音の強弱を感じる事が出来る拍のつながり
こんな感じでしょうか。
お気づきかと思いますが、同じフレーズを弾いてもかっこ良く聴こえる人とそうでない人って、主に「ビート」に違いがあります。
ほら、いくらリズムと音程がバッチリでもボーカロイドの歌って、なんか味気ないでしょ。それと一緒。
リズムが正確っていうのは大前提として、その上で一つ一つの音のメリハリみたいなのがすごく大事。こればベースやドラムだけじゃなく、どんな楽器にも言える事です。
そのあたりを意識するだけで、演奏がグッと良くなりますよー。
コメント
リズムとテンポとビートについて。
いろいろ読んだけど、ここが一番分かりやすかったです。
ありがとうございました。
コメントありがとうございます。
お役に立てたようでなによりです。^^
これからもどうぞよろしくお願いいたします。