楽譜でよく見かける♯(シャープ)や♭(フラット)、これは調号って言う、曲のキーを判別するための記号なんですね。
ただこの調号、♯・♭の数によってキーが変わりますし、それぞれメジャーキーとマイナーキーがあるので、全部のパターンを丸暗記するのは なかなかの苦行・・・
でも安心してください。
われわれベーシストには、とっておきの覚え方があるんです。
(ギタリストも応用可)
この法則を知っていれば、「ん?シャープが2つ?じゃあDかBマイナーだね」
てな感じでその曲のキーが解ってしまいます。
今回は、楽譜を見て簡単にキーを見分ける方法をご紹介したいと思います。
楽譜から分かるキーの見分け方
♯(シャープ)や♭(フラット)はそれぞれ最大で7つ、さらにメジャーキーとマイナーキーがあるのでその倍。
こんなにあったら覚える気にもならないですが、うまい具合にベースの指板がキーと同じような配列になってるんです。
つまり、読み方の法則さえわかれば、わざわざ丸暗記しなくてもいいんですね。
それでは順番に説明していきます。
楽譜にシャープもフラットも付いてないときのキー
♯(シャープ)も♭(フラット)も何も付いてないときのキーは、
メジャーキーなら「C」
マイナーキーなら「Am」
このどちらかになります。
「どちらかって、どっちやねん?」という疑問については後述しますので、ひとまず今の段階では、
「何もついてなければCかAm」
ということだけ覚えておきましょう。
楽譜にシャープが付いてるときのキー
♯(シャープ)が付いたときのキーと、それをベースで弾くときのポジションを表にしてみました。
♯(シャープ) | メジャーキー | ベースのポジション | |
0 | ー | C | 3弦3F |
1 | ♯ | G | 1弦開放 |
2 | ♯♯ | D | 2弦開放 |
3 | ♯♯♯ | A | 3弦開放 |
4 | ♯♯♯♯ | E | 4弦開放 |
5 | ♯♯♯♯♯ | B | 3弦2F |
6 | ♯♯♯♯♯♯ | F♯ | 4弦2F |
7 | ♯♯♯♯♯♯♯ | C♯ | 3弦4F |
♯(シャープ) | マイナーキー | ベースのポジション | |
0 | ー | Am | 1弦2F |
1 | ♯ | Em | 2弦2F |
2 | ♯♯ | Bm | 3弦2F |
3 | ♯♯♯ | F♯m | 4弦2F |
4 | ♯♯♯♯ | C♯m | 3弦4F |
5 | ♯♯♯♯♯ | G♯m | 4弦4F |
6 | ♯♯♯♯♯♯ | D♯m | 3弦6F |
7 | ♯♯♯♯♯♯♯ | A♯m | 4弦6F |
表の中の赤色の数字の部分に注目してください。
1→2→3→4と、♯が増えるごとに 同じフレットの1つ太い弦に移動してますよね。
そうなんです、♯1つにつき完全5度づつキーが上がっていくんです。
これはメジャーキーでもマイナーキーでも動き方は全く同じ。スタート地点が違うだけです。
もう少し詳しく見ていきましょう。
シャープとベースのポジションの関係
メジャーキーを例にとって説明していきます。
「何も調号が付いてないときのキーはC」でしたね。
「C」はベースでいうと3弦3フレット。
♯(シャープ)が1つ付く場合
♯が1つ付く場合は、そのまま1つ太い方の弦に移動します。「G」ですね。
つまり「♯(シャープ)が1つ付くときのキーはG」ってことです。
♯(シャープ)が2つ付く場合
次に♯が2つ付く場合なんですが、4弦ベースにはこれ以上太い弦がないので、Gを一旦1オクターブ上の1弦開放に移動します。

そこから1つ太い弦に移動すると「D」。
つまり「♯(シャープ)が2つ付くときのキーはD」ということが分かります。
♯(シャープ)が3つ付く場合
♯が3つになっても要領は同じで、1本太い弦に移動するだけ。
「♯(シャープ)が3つ付くときのキーはA」ということが分かります。
4つ以上も同じ。
このように、順番にポジションをずらしていくだけでキーが判明するというわけです。
楽譜にフラットが付いてるときのキー
次は♭(フラット)がつく場合です。
フラット | メジャーキー | ベースのポジション | |
0 | ー | C | 3弦3F |
1 | ♭ | F | 4弦1F |
2 | ♭♭ | B♭ | 3弦1F |
3 | ♭♭♭ | E♭ | 2弦1F |
4 | ♭♭♭♭ | A♭ | 1弦1F |
5 | ♭♭♭♭♭ | D♭ | 3弦4F |
6 | ♭♭♭♭♭♭ | G♭ | 2弦4F |
7 | ♭♭♭♭♭♭♭ | C♭ | 1弦4F |
フラット | マイナーキー | ベースのポジション | |
0 | ー | Am | 3弦開放 |
1 | ♭ | Dm | 2弦開放 |
2 | ♭♭ | Gm | 1弦開放 |
3 | ♭♭♭ | Cm | 3弦3F |
4 | ♭♭♭♭ | Fm | 2弦3F |
5 | ♭♭♭♭♭ | B♭m | 1弦3F |
6 | ♭♭♭♭♭♭ | E♭m | 2弦2F |
7 | ♭♭♭♭♭♭♭ | A♭m | 1弦1F |
赤色の数字の部分ですが、先ほどとは逆に、細い方の弦に向かって4→3→2→1と移動してます。
そう、♭の場合は一つ増えるごとに完全4度づつ上がっていくんです。
具体的に見ていきましょう。
フラットとベースのポジションの関係
今回もメジャーキーを例にとって説明していきます。
「何も調号が付いてないときのメジャーキーはC」でしたね。
「C」はベースでいうと3弦3フレット。ここまでは同じ。
♭(フラット)が1つ付く場合
♭が1つ付く場合、そのまま1つ細い方の弦に移動します。「F」ですね。
つまり「♭(フラット)が1つ付くときのキーはF」です。
♭(フラット)がつ2付く場合
次に♭が2つ付く場合、さらに1つ細い方の弦に移動。「B♭」ですね。
「♭(シャープ)が2つ付くときのキーはB♭」
♭(フラット)が3つ付く場合
次に♭が3つ付く場合ですが、これ以上細い弦がないので、B♭を一旦1オクターブ下の3弦1Fに移動して、
そこから1つ細い弦に移動すると「E♭」。
「♭(フラット)が3つ付くときのキーはE♭」ということが分かります。
メジャーキーとマイナーキーの見分け方
ここまでベースのポジションを利用したキーの見分け方を紹介してきたんですが、残念ながら調号を見ただけではその曲がメジャーキーなのかマイナーキーなのかは判別できないんです。
じゃあどうやって見分ければいいのか?って話なんですが、ものすごく大雑把に言えば、
・明るい感じの曲ならメジャーキー
・暗い感じの曲ならマイナーキー
の可能性が高いです。
ただ世の中には「明るいようで暗い」「暗いようで明るい」といった、雰囲気が曖昧な曲も存在しますし、テンポや楽器の音色なんかでも結構イメージが左右されたりするんですよね。
そんなときは、その曲の主音、つまりルート音が何なのかに着目してください。
ルート音は、その曲の最後がどの音で終わってるかを見ればわかります。
曲の最初の音じゃダメなの?って思うかもしれませんが、サビから始まる曲とかもあるので、最初の音は無視してください。
例えば、
・楽譜に♯も♭も付いてない曲の場合
C(ド)の音で終わってたらCメジャー、A(ラ)の音で終わってたらAマイナー。
・♯が1つの曲の場合
G(ソ)の音で終わってたらGメジャー、E(ミ)の音で終わってたらEマイナー。
・♭が1つの曲の場合
F(ファ)の音で終わってたらFメジャー、D(レ)の音で終わってたらDマイナー。
といった感じ。
まあ中には偽終止といって「終わると見せかけて終わらない」みたいなのもあるので、絶対とは言い切れないんですが、大抵の曲は終止感のある終わり方をしてるので、ほぼほぼ見分けられるはずです。
楽譜の調号からキーを判別する方法:まとめ
♯(シャープ)や♭(フラット)といった調号が何も付いてないとき、
- メジャーキーならC(3弦3フレット)
- マイナーキーならAm(3弦開放)
んでもって、
- ♯(シャープ)がつけば太い弦に移動
- ♭(フラット)がつけば細い弦に移動
ということさえ覚えておけば、あとは実際にベースの弦を押さえながら確認すればOK。
最初のうちは「えーっと、一旦1オクターブ上げて、太い方の弦に下がって・・・」みたいに頭がこんがらがると思いますが、慣れれば脳内イメージするだけで分かるようになります。
あと、メジャーキーとマイナーキーの見分け方については、
- 雰囲気が明るい曲・・・メジャーキー
- 雰囲気が暗い曲・・・・マイナーキー
- 雰囲気が曖昧な場合は曲の最後の音で判断すると大体正しい。
こんな感じです。
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