「4弦と5弦、どっちを購入すべきか?」
これからベースを始めようとする初心者さんが直面する悩みが、この弦の本数問題。
それぞれメリットとデメリットがあるので、まずはその違いを知っておきましょう。
というわけで今回は4弦ベースと5弦ベースの違いについて詳しく説明したいと思います。
ベースの4弦と5弦の違いって?
4弦ベースは弦が4本、5弦ベースはプラス1本の計5本。早い話、弦の本数が違うだけです。
・2弦=D弦
・3弦=A弦
・4弦=E弦
・5弦=B弦←これが追加
通常は低い方のB弦(ローB)が追加されてるんですが、高い方のC弦(ハイC)を追加した5弦や、両方追加した6弦というのもあります。
エレキベースはウッドベース(コントラバス)をもっと手軽に演奏出来るように考えだされたもの。
もともとウッドベースの弦が4本だったので おのずとエレキベースも4弦として開発されたんですが、もっと低い音を出したいというニーズに応えた結果 5弦ベースが誕生したわけです。
「じゃあ5弦の方がいいんじゃないの」と考えるも、それがそう単純なものでもないんですよね。
ここからは5弦と4弦のメリットとデメリットについて書いていきたいと思います。
なお、5弦中心の記述になってますが、
5弦のメリット=4弦のデメリット
5弦のデメリット=4弦のメリット
という風に解釈してください。
5弦ベースのメリットとデメリットについて
5弦ベースのメリット
音域が広がる
より低い音が出せるようになる。これが一番の魅力。
最近は5弦ベースでレコーディングされている曲も多いため、4弦では出せない低い音が結構出てくるんですが、それを4弦ベースでコピーしようとすると 音を置き換えたりダウンチューニングで対応しないといけないなど、面倒だし限界もあります。
あと、ベースって半音下 もしくは1音下からのアプローチをよく使うんですが、キーがEでもそれが出来るって言うのはありがたいです。
ゴージャスに見える
最初の頃は「ネックが太くて ダサいなー」と思ってたんですが、見慣れたせいか最近では逆に立派に見えるんですよね。
ペグや弦が多いのもあると思うんですが、5弦ベース見てから4弦ベース見ると何となく物足りなく見えてしまいます。
運指が楽になる
弦が1本増えた分、ポジション移動が少なくて済みます。また、通常は5弦ベースのほうが弦間が狭いので左手は若干楽。
※4弦と同じ感覚で弾けるよう、弦間を4弦と同じにしているものもあります。(その分ネックは太くなる)
5弦ベースのデメリット
値段が高くなる
もちろんモノにもよるんですけど、同じメーカーの同シリーズならざっと1~2割くらいは割高になる感じですかね。
交換用の弦が高い
もともと高いベースの弦がさらに高くなります。大体3割増くらい。頻繁に弦交換する人にとってはキツい。
弦交換やチューニングが面倒
弦が1本増えるので、当然手間も1.25倍増える。
B弦の使用頻度が少ない
せっかくの5弦ベースなのに、大半の曲は4弦で弾けてしまうため、5弦(B弦)がただの指置きと化す。まあこれはこれで便利ではあるんですけどね。
弾きづらくなる(こともある)
メリットのところで「運指が楽になる」って書いたんですが、ネック幅が広くなるので、手が小さい人や 握り込んで弾くスタイルの人はちょっとシンドイかも。
スラップがちょっとやりづらくなる
弦間が狭くなるのでサムピングで他の弦を叩いてしまう可能性が高くなるし、プルのときも弦に指を潜り込ませにくくなる。
ルイス・ジョンソン的なE弦をバンバカ叩くような奏法はちょっとキビシイ。
ミュートが大変になる
1本弦が増えただけなんだけど、どうやってミュートしようか結構悩みます。
5弦は親指を置いとけばいんだけど、他の弦がね。
重い
ネックは太くなるしボディも大きくなる。弦やペグも増えるしブリッジもデカイ。トータルすると結構な重量増し。
長時間のライブや激しいパフォーマンスをする人は結構キツいはず。これで腰痛になる人もいるくらいなので侮っちゃだめです。
5弦ベース買って後悔するのって、案外これじゃないかって気がしてます。
大きい
同じモデルで比べた場合、やっぱり4弦より5弦のほうが大きいので、小柄な人だと見た目のバランスが悪くなります。
比較的ボディーが小さめの5弦ベースもあるので一概には言えないですけど、ジャズベースタイプの5弦とかって なかなかのデカさです。
バリエーションが少ない
最近は5弦のニーズにともないラインナップも増えてはいるんですが、でもやっぱり4弦に比べると選択肢が少ないのは否めません。
ベース初心者には4弦と5弦どっちがいい?
ここまで5弦と4弦の違いについて書いてきました。繰り返しになりますが、5弦を選ぶ最大の理由は4弦よりも低い音域が欲しいからですよね。
5弦にすることによって増える音は5つ。
↓
B・C・D♭(C♯)・D・E♭(D♯)
つまりこの5つの音に、デメリットを上回るだけの価値を見いだせるかどうか。
こう書いちゃうと「うーん、やっぱ4弦でいいか」って思うかもしれないですが、ボクは5弦推奨派です。
出始めの頃に比べると楽器としてのクオリティも上がってますし 値段もかなりこなれてきましたしね。
最近の音楽シーンでも多弦ベースは多く使われるようになってきているので、4弦ベースだとコピーするときに「音が足りない」というストレスを感じる機会が増えてくる可能性は大。
今後の事を考えると5弦という選択肢はアリだと思います。
むしろ「とりあえず初心者のうちは4弦にしておいて、いずれは5弦」と考えているのであれば最初から5弦を選んでおく方が、持ち替えたときの違和感を感じなくてすみます。
と言うのも、実はボク自身 一応5弦ベースのユーザーでもあるんですが、ずっと4弦を長く使い続けてきたたせいか、未だになじめないんですよね。。。
弦が1本増えただけなのに運指のミス連発、情けないです。
まあこれはボクが不器用なだけで、いろんなベースを弾きこなす人もたくさんいるのであまり参考にはならないかもしれません。
演奏するジャンルにもよる
どんな曲をメインで演奏するかというのもポイント。
5弦ベースが存在しなかった頃の曲、たとえばビートルズやクイーンなど、比較的昔の曲を中心に演奏するなら4弦ベースで問題無し。むしろ見た目も含めて4弦の方がそれっぽくてGOOD。
逆に最近の曲や、お気に入りのベーシストが5弦ベースを使っているようなバンドのコピーをやるなら、そりゃあもう5弦を選んでおく方が正解。
バンドスコアも5弦用で書かれていたりしますからね。
4弦で5弦に対抗する方法
「重さやコストの事を考えると4弦がいいんだけど、たまにEより低い音が欲しいときもある。かと言って その都度ダウンチューニングするのは面倒。」
そんな場合にいいのがあるんです。
HipShot(ヒップショット)ってメーカーが販売してるBass Xtender(通称Dチューナー)というのがあって、これを取り付けることで4弦解放のEの音をワンタッチでドロップDに出来るという優れものなんです。
名前は「Dチューナ」ですが、お好みによってCでもE♭でも調整可能。
これ、実際ボクも付けてますけど、キーがDの曲をスラップするときはめちゃめちゃ重宝します。しかも運指が楽です。
Dチューナーについて詳しく知りたい方はこちらの記事の後半をどーぞ。
ベースの五弦と四弦の違い:まとめ
5弦ベースが出始めた頃はちょっと特殊な感じがしましたが、今では全然めずらしくないですし、使ってる人もホントによく見かけます。この調子だと いずれ5弦ベースがスタンダードになる日がやってくるかもしれませんね。
ただ、ボク自身は前記した理由から 今はもう4弦しか弾いてません。
確かに、Low-BやLow-Cの音が欲しいときもたまにありますけど、そこはポジションを変えるなりDチューナー使うなりして乗り切ってるので、それほど不自由はしてません。
5弦になじめなかったって言うのが大きいんですが、長時間ベースを背負って移動する自分としては、重いってのも結構ネックでした。
このあたりは使う人の環境によるので何とも言えないですが、買った後に「アチャー失敗した」と後悔しないよう、自身の演奏スタイルや、メリット・デメリットなどをいろいろ比較した上で慎重に選んでくださいね。
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