ベースのチューニングにはチューナーを使うのが一般的。
ただ、耳で聴いて音を合わせる方法も知っておくと何かと役に立ちます。しかもやり方自体は実に簡単。
チューナーなしでチューニングができれば、もしリハやライブのときに
「チューナー家に忘れてきた」
「電池切れてるじゃん・・・」
なんてことになっても全然余裕。
というわけで、今回はチューニングの仕組みと 初心者さんにでもできる一番簡単なチューニングの方法を図解入りでご紹介します。
ベースのチューニングは簡単
以前、ベースを始めたばかりの人向けにチューナーの使い方を詳しく解説した記事を書きました。
で、今回はチューナーを使わないで音を聴いてチューニングするやり方を覚えようという企画。
ベースの音の並びには、ある規則性があるんですね。規則といってもすごくシンプルなんでスグに覚えられます。
さらにベースはギターよりも弦の本数が少ない分 楽チン♪
とは言え、まず基準となる1音だけは必要。ぶっちゃけこの1音さえあれば こっちのもの。あとはベース本体で全ての弦を合わせられます。
基準となる音って?
基準となる音として使われるのがA(ラ)の音です。で、このA(ラ)の音を正確に発音できる代表的なものが「音叉(おんさ)」や「ピッチパイプ」。

え~そんなの持ってないよー

ご心配なく。
最近のチューナーには音叉(おんさ)モードが付いてるものも多いし、iPhoneなどのスマホ用チューナーアプリにも音叉(おんさ)モードがあったりするよ。

チューナーなしでチューニングするって話だったんじゃ・・・

チューナーなしって言うのは、チューナーのメーターを見なくても合わせられるってこと。なので何かしらの基準の音は必要。
キーボードなどの鍵盤楽器の人に「Aの音ちょーだい」ってお願いしてみるのもいいよ。

いや、バンド組んでないし・・・

じゃぁNHKの時報聞いて。
「プ・プ・プ・プーン」の最初の「プ3回」の音がA(ラ)、「プーン」の音も1オクターブ高いA(ラ)なので、この音に3弦解放の音を合わせるってのもアリ。
あと、家の電話の受話器を上げたときの「プー」って音は ほぼG(ソ)。

へー、そうなんだ。
Aの音って何?
Aの音はラの音です。
ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ドってありますよね?
この「ドレミファソラシド」をアルファベットに置き換えると、
「CDEFGABC」となります。
なので「A=ラ」。
周波数でいうところの440Hzで、これが現在楽器を調律するときの基準の音になってます。
ちなみにベーシストが大好きな「Eの音」は「ミの音」で330Hzです。
Aの音はどこにある?
「A=ラ」というのは解ったと思いますが、じゃあその「A」の音ってどこにあるのか?
実はベースの指板上でA(ラ)の音は1箇所じゃないんです。
- 4弦5フレット
- 4弦17フレット
- 3弦開放
- 3弦12フレット
- 2弦7フレット
- 2弦19フレット
- 1弦2フレット
- 1弦14フレット

音の高い低いはあるけど、これすべてA(ラ)。
この中でチューニングに使うべきポジションはズバリ「3弦開放」。
ハーモニクスで合わす場合はまたやり方が違ってくるんですが、今回は基本となる実音でのチューニング方法なので「3弦開放」を使います。
あ、解放ってのは 弦を押さえない状態の事ね。
なぜ3弦開放を使うのか?

A(ラ)のポジションはたくさんあるのに、どうして3弦開放?

左手で弦を押さえてなくても音を出せるからね。
チューニングは音の変化を聴きながら合わせる方がやりやすいんですね。
でも開放弦以外のポジションだと弦を押さえていないといけないので 右手でしかペグが回せないし、左手でペグを回わそうとすると弦から指を離すことになって音が途切れちゃうんです。
ベースのチューニングをチューナーなしでやってみる
ベースは生音でもチューニングできなくはないんですが、できればアンプなどにつないで実際に音を出した方がわかりやすいです。
基準音を出してみる
「チューナーなしでやってみる」と言っておきながら、基準音を聴くためにKORG(コルグ)のGA-40の音叉モードを使うことにします。
今回の趣旨は耳で聴いて合わせることなので「チューナーがあるんならチューナーでチューニングすれば?」と言うツッコミはなしでお願いしますw
SOUNDボタンで「3A」に設定。もし周波数で合わす場合は440Hz(ヘルツ)でOK。
「プーーーー」という音が鳴ったら それが基準となるA(ラ)の音。
基準音に3弦解放の音を合わせる
基準となるA(ラ)の音を聴きながら、ベースの3弦解放を弾きます。
(最初のうちはペグを1回転くらい戻した状態からスタートしたほうがわかりやすいです。)
チューナーから聴こえる音と比べて ベースの音の方が低い場合はペグを巻いていき、高い場合は緩める方向に回します。
なかなか合わない、何かうまくいかないとき
同じ音ばっかり聴いてると、高いのか低いのかワケわかんなくなっちゃう事があると思います。
そんなときに意識してほしいのが音の揺れ。
「ウァン ウァン ウァン」
という感じでチューナーの音とベースの音がぶつかり合って揺れてるときは 合ってない証拠。
で、ペグを巻いて音が近づくにつれ 次第に、
「ウォァン ウォァン ウォァン 」
「ウォァーーン ウォァーーン ウォァーーン」
「ワーーーーー 」
と、だんだん音の揺れの間隔が大きくなってきます。この音の揺れ幅がポイント。
音程の高い低いだけで合わすんじゃなく、音のうねりを聴いて合わすのがコツ。
ゆっくりペグを巻いていくと最終的にうねりが無くなって2つの波長がピタッと合う瞬間が訪れます。このときが「合ってる」状態。行き過ぎた場合は一旦多めに戻し、また巻き上げる段階で調整していきます。
巻き過ぎて弦が切れそうで怖いって人、結構いるみたいですが、このうねりで合わせられるようになると そういった心配もなくなります。
完全に音が重なって揺れなくなったら一旦3弦のチューニングは終了。
3弦以外の残りの弦を合わせる
次に、先ほど合わせた3弦を基準にして残りの弦を合わせていきます。
3弦はすでに合ってるので動かさないようにしてくださいね。では順番に、
- 3弦解放の音(A)に4弦5Fの音(A)を合わせる
- 3弦5Fの音(D)に2弦解放の音(D)を合わせる
- 2弦5Fの音(G)に1弦解放の音(G)を合わせる
5弦ベースの場合は、
- 4弦解放の音(E)に5弦5Fの音(E)を合わせる
ベースのレギュラーチューニングは「5フレットの音=隣の細い弦の解放」という覚え方でOK。
合わせ終わったらもう一度3弦の基準音を確認
一通りチューニングが終わったら、再度チューナーの基準音と3弦解放が合っているかどうかチェックします。
するとさっき合わせたはずなのになぜかズレてるってことも。
これは、弦を張ることでネックに負担がかかりネック自体が微妙に動いた事が原因。よくあることなので心配いりません。
あと、弦が新しいと かなり伸びるのでなかなか安定しません。
音が狂っていた場合は、全部の弦がきちんと合うまで一連の行程を繰り返します。
全部合わせられたら無事チューニング完了。
念のため「ドレミファソラシド」を弾いてみて、ちゃんと合ってるかどうか確認しておきましょう。
「ドレミファソラシド」のポジションについては、以前の記事で図解入りで説明してるので、参考にしてみてください。
チューニングでチューナーを使わない方法:まとめ
耳でチューニングって言っても、特に難しいという事もなかったですよね。
この合わせ方を知っておくとチューニングのスピードが圧倒的に早くなりますし、良い耳のトレーニングにもなるのでおすすめです。
ぜひこの機会にチューニングの基本をマスターしちゃいましょう。
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